12月全校朝会 〜しんゆうだけど だいきらい・講話〜
- 公開日
- 2021/12/02
- 更新日
- 2021/12/02
できごと
12月になり、今日は全校朝会です。
図書室にある一冊を取り上げ、講話にしました。私自身、この本を見つけたとき「ハッ!」とした、題名でした。中身を読み、子供たちの身の回りや今後の出会いの中で起こりうることと感じ、題材にしました。
「みかり」と「しずく」は毎日一緒に登校する友達。何をするにも一緒で本人たちは親友と思って日々過ごしています。
みかりは、活発で授業中の発言も多いちゃきちゃきタイプ。しずくはどちらかというとおっとりタイプです。
元気のいいみかりは、体育の授業中でも(思いつくと)しずくに話しかけ、周りの友達や先生に注意をされてしまいます。
みかりは、食べるのが遅いしずくの唐揚げを(残すならたべてあげるよと)食べてしまいます。
そして、みかりは下校した後、ぶらんこ遊びにしずくを誘い楽しそうです。
しかし、しずくは元気がよくてちゃきちゃきしているみかりに、反発を覚えます。
1 授業中に自分はおしゃべりをしていないのに、叱られたこと
2 最後に食べようと楽しみにしていた唐揚げをみかりが食べてしまったこと。
3 他の子に、下校後文房具店に行こう、と誘われていたのに、みかりに強引にブランコ遊びに誘われてしまったこと。
度重なることに、しずくは我慢がならなくなり、ついに「もう話はしない。大嫌い!」と、みかりに自分の感情をぶつけてしまったのです。
強がって離れていった、みかり。しかし、しずくがいなくなって、みかりは孤立し、すっかり落ち込んでしまうのです…
Q 親友だったのに、どうしたらこうならずにすんだのか?
を、全校児童に問いかけました。
みかりは、「自分が思うことは、相手も同じように感じている」と、考えています。そして、しずくは、そんなみかりに「その時々の自分の気持ち」を伝えていません。
「自分がされて嫌なことは、人にしてはいけない」とは、子供によく言い聞かせる言葉です。しかし、「自分がされたらいやだと思っていない」ので、他者にそれをやってしまうということは、実はありがちなことです。大人世界にもありがちで、ネット社会では頻繁に起こるトラブルの元ともいえるのです。
この両者にかけていたのは、「相手の気持ちを慮(おもんばか)ること」、「自分の気持ちをしっかり伝えること」。その大切さを主題にしているのだと、気付くのです。
最後に、みんなに問いかけました。
「この二人は、元のように仲良しになれるのでしょうか?元のように、なるためにはどうしたらよいか、考えてください」
この本の、最後のページにはヒントが隠れていて、ラストシーンとなります。そのことに気付けた子がたくさんいることを願って、私はこの本をそっと図書室に戻しました。