学校日記

足し算言葉を疑え! 〜公開授業・1年生〜

公開日
2022/02/24
更新日
2022/02/24

できごと

年度末ですが、赤石小の教職員の授業改善、研修の道は続きます。

 22日は1年生の算数の公開授業でした。

 一年生たちが、文章問題に挑みます。文章問題は、高学年や中高生でも苦手と言われています。その難題が、1年生に降りかかります!

 「みんなで9人並んでいます。さとしさんは、まえから4番目です。さとしさんの後ろに、何人いるでしょうか?」

 私たちなら、この問題が「引き算」とすぐわかります。しかし、1年生は・・・

 「みんなでいくつですか?」という学習を繰り返してきて、1年生には「みんなで」というキーワードがあったら「足し算」とすり込まれています。素直で意欲的で何でも吸収する1年生たちには、習ったことがしっかりと刻まれ、以後の学習についての「ルール」になっているのです。

 そのため、赤白帽をかぶって「足し算」とした子が多数。一年生たちは、習ったことに忠実です。つまり、担任は、子供たちがそう考えるということをすでに予想して、子供たちを裏切ろうとしたのです!

 この授業展開は、「はい、引き算です」とほとんどの子供が答えてしまったら、深まりようがない内容です。私は、担任がしっかりと1年生段階の思考の働きを熟知していること、また1年生の実態についてよく把握していることに改めて、教師の技を見ました。

 子供たちは、自分の考えを熱心に述べ、そして、「足し算言葉」の落とし穴に気付き、以後、どうやって問題文を理解していくべきかをしっかりと学びました。引き算の解答は「5」なのですが、そんな正解が全く主役にならず、「失敗や落とし穴に気がつくことで、いかにしてしっかりと本質をつかむか」という、ことが学びの主題になっていました。今の時代を生き抜くために、未来を生き抜く子供たちが身に付けていくことが求められているcritical thinking(批判的思考)。

その芽生えが1年生の授業にあったのです。

すごい授業でした!