「読む力」の育成 〜1年間の取組から見えてきたもの〜(2024.2.7)
- 公開日
- 2024/02/27
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
南魚沼市の学力向上に向けた取組である「読む力」の育成が始まり約1年間が経ちました。実証研究校の実践から、数値では測れない、子供たちの「『読む力』が高まった姿」を実際にいくつも見ることができたこと、それこそが「成果」です。
2月6日(火)、令和5年度第2回研究主任及び管理職必修研修が行われました。冒頭のあいさつで、岡村センター長(教育長)から「様々な場面で生成AIが活用される今日、生成AIが導き出す『もっともらしい回答』に対して、『正しく読む力』と『深く読む力』、とりわけ『批判的に読む力』(深く読む力)が重要である」との力強いお言葉をいただきました。
その後、実証研究校3校(北辰小・六日町小・六日町中)から、1年間の実践について発表がありました。
北辰小学校からは、教科特性に応じた授業提案とメンター制による授業改善と学級経営の中で読む力育成の取組を進め、成果のあった手立てについて教職員で共有するという取組が紹介されました。
六日町小学校からは、1年間、「多読を重視した全校朝読書」「学年で目指す子供像に基づき学級の実態に応じた継続指導」「授業公開」に取り組み、子供の読むことへの姿勢、語彙量や作文量の増加等の変容が見られたことが紹介されました。
六日町中学校からは、RSTの分析から生徒の実態を把握し、各教科で「技術と読む経験を積む活動」「入力→構築→出力からなる活動」「他者とかかわる活動」「ICTを活用した活動」から「読む力」を育む取組が紹介されました。
その後、センター指導主事が「1年間の各校の取組で見えてきたこと」「実際の授業や各種研修会に参加して見聞きした具体的な取組」「来年度に向けて」の3つの柱で、1年間の取組についてふり返りました。
1年間の取組で見えてきたもの
・「読む力」は生きていく上で、そして学力向上に必要不可欠な要素の1つである
・「読む力」の育成は、学力向上に向けた1つの手段である
・「読む力」は単体で育まれるものではない
・「文を読む力」だけが「読む力」ではない
・各教科に必ず「正しく・深く読む」場面は存在する
・共通の取組と教科独自の取組がある
・取組の自由度は高い
・シンプルな取組でも必ず効果がある
・RSTは重要な客観的な資料である
実証研究校を中心とした授業の中で見られた具体的な取組
・様々な目的や方法による音読
・様々な目的や方法で文章に線を引く
・視写や聴写
・読書(+読書感想文や書評づくり)
・指示語等が何を指すのかの確認
・単語ではなく文で応答することの徹底
・複数の資料の提示
・読み取った内容の言語化や動作化
・文章や数式を図や表で提示
・読み取った内容から図や表を作成
来年度に向けて
・市内一丸となって、継続して読む力育成の取組を推進する(粘り強く「読む力」の育成に取り組む1年とする)
・「聞く」「話す」「書く」と効果的に組み合わせて「読む力」を育む(「学びの基礎力」を基にして)
・家庭学習の充実を図る(授業と家庭でよい「学びのループ」をつくる)
・ICTを一層活用する(デジタル、アナログ双方の教育効果や作業効率等を考え、子供たちも含め適切に取捨選択しながらICTを活用する)
後半は、お集まりいただいた各校の管理職と研究主任で来年度に向けての研修の方向性等を話し合う時間を設けました。普段、こういった時間はあまりとれないため、有意義な時間となりました。
今回、大変充実した研修が実施できましたのは、「読む力」の育成に向けた各校の各種取組の賜物であると考えます。大変ありがとうございました。
全ては南魚沼の子供たちの未来のため 、子供たちが生きていく上で必要な、そして学力向上に不可欠な「読む力」を高めることができるよう、来年度も南魚沼市学習指導センターは様々な面で学校、先生方を支援してまいります。
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