記事

  • センターだより・文献目録掲載のお知らせ

    公開日
    2025/04/24
    更新日
    2025/04/23

    お知らせ

    画像はありません

    配布文書のページにセンターだよりと理センだよりの第1号(令和7年4月号)を掲載しました。また、文献目録令和6年度追加分も掲載しました。

  • 研修講座掲載のお知らせ

    公開日
    2025/04/18
    更新日
    2025/04/18

    お知らせ

    画像はありません

    研修講座カレンダーのページに令和7年度の研修講座を掲載しました。一覧表は配布文書に令和7年度 研修講座一覧を掲載中です。

  • 「令和6年度 第2回 学力向上推進研修」(2025.2.6)

    公開日
    2025/02/06
    更新日
    2025/02/06

    「読む力」の育成

     南魚沼市が学力向上に向けて「読む力」を育む取組を始めて約2年間が経ちました。実証研究校から、教師の見取りや子供の自己評価、RSTなどに基づいて実践報告がされました。参加者の意見や情報の交換も活発に行われ、充実した会となりました。




     2月4日(火)、令和6年度 第2回 学力向上推進研修が行われました。各学校の研究主任が参加しました。始めに、岡村センター長(教育長)からビデオメッセージとして、「『読む力』は、学力向上のためだけでなく、生涯仕事や生活をしていく上で必要な力であるため、義務教育段階で指導することは意義深い」といったお話がありました。


     続いて、実証研究校3校による実践発表を聞きました。


     北辰小学校からは、様々な教科で「読む力」を意識した指導案作りと授業公開が増えたこと、「視写」「音読」「共書き」「線引き」など「正しく読む」ための取組が浸透してきたことなどが報告されました。


     六日町小学校からは、各学年・学級の取組を通して、子供は分からない言葉を進んで質問したり辞書で調べたりするようになったこと、問題や文章をよく読み課題解決に向けてあきらめずに取り組むようになってきたことなどが報告されました。


     六日町中学校からは、各教科のNRTの結果分析が「読む力」と関連付けて行われるようになったこと、NRT及びRSTの分析結果に基づいて、各教科で取組を工夫するようになってきたことなどが報告されました。


     最後に、学習指導センターが「これまでの取組や研修等から見えてきたこと」と「次年度の取組の方向性」についてお話しました。


    これまでの取組や研修等から見えてきたこと

     ・「読む力」は、書く力・話す力・聞く力などと関連して育まれる。

     ・「読む力」は、「文を読む力」だけではない。

     ・どの教科の学習にも、「正しく読む」場面と「深く読む」場面がある。

     ・「読む力」には、「様々な教科に共通するもの」がある。

     ・各教科の知識は、「読む力」とともに育まれる。

     ・「読む力」を育むための取組には、様々なものがある。

     ・RSTは、実態把握に必要な客観的資料である。


    次年度の取組の方向性

     ・RSTで自校の実態把握。

     ・「読む力」を育む取組を入れた授業実践。

     ・ロイロノートやオクリンクを活用した深く読むための共有・交流。

     ・各教科の知識・技能の定着を図るための家庭学習の充実。


     今回の研修が大変充実したものになったのは、実証研究校をはじめ、各校が「読む力」を育むためにいろいろと取り組んでいただいたおかげです。ありがとうございました。


     今後もご協力をお願いします。


  • 情報モラル教育からデジタル・シティズンシップ教育へ ~2024.11.29 県生涯学習推進センターの研修より~

    公開日
    2024/12/03
    更新日
    2024/12/06

    ICT・情報モラル教育

     11月29日(金)、オンラインにて新潟県立生涯学習推進センター主催の「デジタル・シティズンシップ研修会」に、当センター指導主事が発表者として参加しました。これまでセンターで実施した2回の「情報モラル教育研修」の内容について発表しました。その後の研修では、講師の一般財団法人インターネット協会主任研究員である大久保真紀様から、「デジタル・シティズンシップ教育」「デジタルウェルビーイング」についてのお話しをお聞きしました。お話の内容を、キーワードと共に紹介します。


    次々と生まれる新しいサービスや流行

    note:文章や画像、音声、動画を投稿して、ユーザーがそのコンテンツを楽しんで応援できるメディアプラットフォーム。大きな特徴は、自分の作ったマガジン(自分や他人の掲載されているトーク、テキスト、サウンド、イメージ、ムービーをまとめたもの)を「無料」もしくは「有料」で配信することができる。
    BeReal:写真を共有するアプリで、アプリからの通知を受けてから2分以内に写真や動画を投稿する仕組み。「盛らないSNS」として人気。
    ディスコ:動画を見ながらインスタントメッセージ(コミュニケーションサービス・チャットアプリ)・ビデオ通話・音声通話が可能なアプリであるDiscordの略。主にゲーム配信、ゲーム中のコミュニケーションで活用されている。


    言葉の意味、わかりますか

    グルーミング(チャイルドグルーミング):子どもからの信頼を得て、その罪悪感や羞恥心を利用する性的手なづけ。SNSで言葉巧みにわいせつ画像等を送らせるなど。

    闇バイトに関する隠語・用語

    ・たたき:強盗や窃盗のこと。

    ・UD:受け子(U)と出し子(D)のこと。

    ・手押し:対面で直接薬物を売る、運ぶこと。

    ・野菜:大麻のこと。葉っぱ、草という言い方もある。他にもアイス(覚醒剤)、AK、×、罰(MDMA)などがある。


     保護者が子どものスマホにこれら単語を見つけても、意味がわからなければ子どもは危険。


    CEROのゲームレーティングマークや映画倫理機構(映倫)の区分

    A(全年齢対象):マインクラフト、集まれどうぶつの森など

    B(12才以上):スーパーマリオオデッセイ(マリオシリーズはほとんどがAでBは数本)など

    C(15才以上):フォートナイト、モンスターハンターなど

    D(17才以上):APEXなど


     多くの小中学生がプレーしているフォートナイトやモンスターハンターは15才以上が対象のゲーム。映倫の区分も含め、親として注意を払う。

     SNSの年齢制限(オーストラリアでの16歳未満禁止法)、女性教諭中傷動画投稿の疑いで中3と中1男子を逮捕(名誉毀損)、修学旅行で男子中学生が入浴中の女子生徒を盗撮し警察が捜査、と様々なネット関連のニュースが流れている。保護者が関心をもち、ある程度の知識を身に付けていなければ、子どもに話はできない。まずは「知ること」が大切。


    お家の方の「責任」

    ペアレンタルコントロール

    ・フィルタリングで有害情報等からの危機回避、年齢に応じたコンテンツでリテラシーを体得、使いすぎや依存の防止。

    ・端末は親の所有物、いつでも見る、いつでも取り上げると宣言しておく。

    ・ゲームや動画視聴以外にも、楽しいことがたくさんあることを子どもに認識させる(五感を使い、人と関わり、親子で体験する、楽しむ)。


    保護者の「デジタル・シティズンシップ教育」

    デジタルウェルビーイング(機器やテクノロジーを適切に使用して心身共に健康であること)を目指して。

    ・リアルでもネットでも、子どもには「命を大切にしてほしい」「節度をもって人と接してほしい」という親の願い。

    ・スマホ、ネットは「道具」。楽しい時間を過ごすため、生活を豊かにするため、自分の夢や願いをかなえるためという「目的」のために使うもの。

    ・物事もネットも表裏一体、光(利便性)もあれば闇(危険性)もある。ネットやゲーム、SNS自体が悪いのではない、そこに悪い人が紛れ込んでいる。

    ・「親が自分よりスマホを大事にしていると感じることがある」と回答した子どもが2割。子どもは親の映し鏡、まずは大人のスマホ利用を見直す。


     学校ではよく、スマホ等の所持については「お家の判断で」と言います。だからといって、「デジタル・シティズンシップ教育」を行わなくてもよいとはなりません。学習指導要領では「情報モラル」を「情報社会で適正な活動を行うための基となる考え方と態度」と示しています。また、教育の情報化に関する手引では「他者への影響を考え、人権、知的財産等の自他の権利を尊重し、情報社会での行動に責任を持つことや、危機回避など情報を正しく安全に利用できること、コンピュータなどの情報機器の使用による健康とのかかわりを理解することなど」と示しています。内閣府からは、「次期指導要領では、デジタル・シティズンシップ教育を各教科で推進する」「ICT機器の具体的な操作に関しての心構えとして、端末を活用しながら身に付けていく」という声が聞かれます。


     南魚沼市でもようやく教育活動におけるICT活用が浸透してきました。子どもたちが適切にICTを活用できるよう、今後は、端末を1つの筆記用具として、子ども自身が取捨選択しながら活用できる学習の構想、学校を離れても安全にネットを活用できる「心構え」を身に付ける教育が求められます。そのため、先生方にはまず「デジタル・シティズンシップ教育」に注目していただければと思います。


  • 「読む力」育成に向けた授業づくり研修(国語) ~六日町小学校4年~(2024.11.28)

    公開日
    2024/12/03
    更新日
    2024/12/16

    「読む力」の育成

     南魚沼市学習指導センターでは、市内の学校の先生方と共に「読む力」を育むための取り組み方について研修を行っています。実証研究校の協力のもと、授業公開と協議会からなる研修講座を開講しています。11月28日(木)に六日町小学校で研修が行われました。


    

    公開授業

     授業は、4年生の国語『ごんぎつね』の学習でした。本時は、「三」の場面の登場人物「ごん」の気持ちの変化を想像することをねらった授業でした。


    「正しく読む力」を育むために

    ①「つぐない」の辞書的な意味を捉える

     導入では、今日の学習のキーワードとなる「つぐない」の辞書的な意味を全体で共有しました。「過ち、罪を品物などで埋め合わせる」と板書しました。

    ②「つぐない」の行動に線を引く

     その後、デジタル教科書の朗読コンテンツを活用し、「つぐないの行動が出てきたら線を引きましょう」と指示して「三」の場面の範読を聞かせました。

    

    「深く読む力」を育むために

     「ごんの気持ちの変化」を読むために、教師は次のように働き掛けました。

    ①行動の変化を捉える

     ごんの「つぐない」の行動は、渡すもの(いわし→くり→くりと松たけ)、渡すものの採取の仕方(盗む→拾う)、渡し方(投げこむ→置く)が変化していきます。これらの行動の変化を捉えることが、気持ちの変化を捉えることにつながると考え、行動の変化を全体で確認しました。

    ②叙述を根拠にする

     ごんの気持ちを想像するためには、叙述を根拠にすることが大切だと考え、ごんの気持ちだけでなく、その根拠となる叙述をワークシートに記述させました。


    研究協議会

     先生方が、本時は何が「正しく読むこと」で何が「深く読むこと」にあたるのかを理解しているため、どうやったらさらに「正しく・深く読ませることができるか」という方法に焦点を当てて活発な議論が行われていました。そして、今後に向けて、次のことを共有しました。

    ・ごんの気持ちを想像する(「深く読む」)ためには、まず一つ一つの行動を丁寧に捉える(「正しく読む」)ことが大切である。

    ・ごんの気持ちを想像する(「深く読む」)ときは、根拠を挙げて理由を説明させることが重要である。

    ・「文学的な教材」の読む力を育むためには、この教材で何を指導すべきかを明確にする必要がある。

     『ごんぎつね』では、複数の場面の叙述を結び付けて、登場人物の気持ちの変化を想像する読み方を経験させたい。ここでの経験を、自分で新たな物語文を読むときに、また自分が書くときに生かすことができるようにする。


  • 数学の授業における読む力育成の取組 ~大和中学校1年~(2024.10.21)

    公開日
    2024/11/07
    更新日
    2024/11/07

    「読む力」の育成

    公開授業

     授業は、1年生の「比例と反比例」でした。本時は、水そうに水を注ぐ事象や水を抜く事象を観察し、いずれも「水位は時間に比例するか」を考え、比例の知識を広げ深める学習でした。

     水を抜くと時間が経てば水位は減る…これって比例?反比例?

     本時の中心課題は、次のようなxが増えるときyが減るような事象であっても比例なのかを調べて考えるものでした。子供の予想は、比例と反比例で分かれました。




    正しく読む力」を育むために
     この問題を「正しく読む」ために、「わかること」などをあげ、データを表に整理する活動を行いました。

    [わかること]
     ・xの値が増えるとyの値は減る
     ・前の問題と同じで、5分前から5分後までだから、変域は-5≦x≦5



     この問題を解決するために、根拠を明らかにして比例かどうかを判断する活動を行いました(「深く読む」)。子供は、自分の考えを書いたら写真にしてロイロノート提出箱に送り、他の考えを見ながら検討しました。そして、「最初は反比例だと思っていたけれど、xの値が2倍、3倍、…になると、yの値も2倍、3倍、…になっているから比例だ」と考えるようになりました。こうして、xが増えるとyが減る場合であっても、比例になる場合があることを、既習の倍の見方と関連付けて理解しました。

    研究協議会
     本時は、子供の誤った理解を顕わにし、その修正を図りながら知識を発展させる授業の一つのモデルを示していただきました。その授業をよく見ると、教師が子供に働き掛けていたことが、「読む力」育成の取組としても重要な意味をもつことを共有しました。今後、比例の理解を深めていく上で大切なこととして、次のことを共有しました。

     ・なぜ関数の式はy=(xの式)という形で表すのかをとらえること(関数の意味)
     ・なぜ比例を式で定義し直すのかをとらえること(必要性)
     ・定義を基に比例の事象を判断すること(弁別)
     ・定義を基に比例の事象をつくること(具体例づくり) など

  • 「読む力」育成に向けた授業づくり研修(算数) ~北辰小学校3年~(2024.9.25)

    公開日
    2024/10/02
    更新日
    2024/10/03

    「読む力」の育成



    南魚沼市学習指導センターでは、市内の学校の先生方と共に「読む力」を育むための具体的な取組について研修を行っています。実証研究校の協力のもと、授業公開と協議会からなる研修講座を開講しています。9月20日(金)に初回の研修が北辰小学校で行われました。


    導入のおもしろさで「わくわく感」を演出(公開授業)
     授業は、3年生の算数「円と球」でした。本時は、5つの円がきまりよく交わっている図について、各円の中心の位置と半径を読み取り、その図を作図する学習でした。単元をとおして「マールさんからの挑戦状」が届き、全ての挑戦をクリアすると「宝の場所」がわかるという、遊び心いっぱいのわくわくするような授業構成で、本時も「マ-ルさんからこんな挑戦状が届いた」という話から始まりました。

    【問題】 この図と同じ図をかきましょう。



    

    「正しく読む力」を育むために

     この問題を「正しく読む」ために、「わかっていること」と「もとめること」を分けてとらえる活動を行いました。教師は子供と対話しながら、子供の発言を整理しました。

    [わかっていること]  ・円が5つある  ・1つの円の中にもう1つの円が入っている  ・円がきれいにならんでいる
    [もとめること]    ・この図と同じ図をかく

    この問題(の解決方法)について「深く読む」ために、教師は次のように働き掛けました。


    ①わかる必要があることを問う(解決方法の見通しをもつため)

    子供は「半径や直径が必要だ」と発言し、教師は「半径の長さは与えられていないが5つの円の端から端は30㎝だ」と条件を与えると、子供から半径の長さを計算で求める考えが示されました。教師はその考えを検討できるように、中心線の補助線を引き、みんなで円の半径はどこにあるか共有しました。そして、半径の長さを計算で求めて作図する活動に入りました。

     【補助線を引いた問題の図】            【ワークシート】

     ②仲間と相談したりヒントカードを使って考えたりすることができるようにする(子供が自ら学習を調整できるようにするため)

     これにより、どの子供も粘り強く問題に取り組むことができました。


    ICTを活用して効率化(研究協議会)
     オクリンクプラスの共同編集機能を使ってグループ協議が活発に行われました。そして、今後に向けて、次のようなことが共有されました。

    ・子供がこの問題(の解決方法)について深く読む上で、実態に応じて、半径の長さの求め方を考える段階と、作図の仕方を考える段階に分ける必要がある。
    ・作図の際は、自らかいた図を問題の図と照らし合わせて、図を正しく読み直すことが重要である。
    学習を振り返り、円がきれいにならんでいる」ことを、円の中心の位置や半径にパターンがあることと結び付けてとらえ直すことは、深く読む機会となる。



  • 令和6年度 市内教員全体研修・教育講演 ~RSの視点で教科書を解像度高く読む~(2024.8.20)

    公開日
    2024/08/27
    更新日
    2024/08/27

    「読む力」の育成



     8月20日(火)、令和6年度 市内教員全体研修として教育講演が行われました。今年度も一般社団法人「教育のための科学研究所」より、上席研究員の目黒朋子様をお迎えしました。市内の学校より350名程の多くの先生方が参加しました。演題のRSとはリーディングスキルの略称で、読解力の視点から、いかに教材研究を行い、日ごろの授業や家庭学習の指導を行うかについてお話をいただきました。



     5年生の社会科教科書の雨温図を読み解く活動を通して、教科書を解像度高く読むために、教師はどのような働き掛けをする必要があるかご指導いただきました。


    例えば・・・

     ・聞いて理解する力を高めるために、「共書き」を行う(教師が読み上げ、子供がそれを聞いて書き、正しく書けているか確認する。)

     ・係り受けの知識を身に付けるために、文章で答えさせる

     ・定型表現を身に付けるために、理由を問うたら、「~だから」という文末表現を指導することや、正しい形容詞を選ぶ指導をする

     ・語彙を増やすために、漢字に直すことや、意味を辞書で調べること、対義語を確認することなどを行う

     ・グラフや表などから分かることを複数挙げて言語化する(言語化していくと、子供が自ら箇条書きで要約することが行いやすくなる。)

      など

       

     参加者からは「『単語で答えさせず文章で答えさせる』など、読む力を育成するために普段から必要なことを知り、大変勉強になった。」「『共書き』を初めて体験し、子どもたちの気持ちが分かった。実践したい。」「グラフを読み解く中で、様々な教科の既習内容と結び付けて考えることが大切であると分かった。教材研究で教科書を深く読み取っていきたい。」といった前向きな声が多く聞かれ、大変充実しました。


     南魚沼市では昨年度より学力向上策の1つとして、「子供たちに正しく読んで、正しく理解できるようになってほしい」という願いのもと「読む力」育成の取組を進めています。学力向上だけでなく、子供たちが将来、社会で生きていく上で必要な力を培うという意味からも、各学校と連携し、「読む力」育成に向けた取組の充実を図ります。


  • 小学校外国語科(国際科)における「読む力」の育成(2024.7.16)

    公開日
    2024/07/16
    更新日
    2024/08/27

    「読む力」の育成

     7月11日(木)、城内小学校にて「授業力向上研修(小学校編)」が行われました。英語専科教員による5年生と6年生の2つの外国語科(国際科)の授業が公開されました。小学校外国語科では、聞いて十分に慣れ親しんで(インプット)から話すこと(アウトプット)という流れが重視されています。外国語科における「読む力」を「話された内容や意味を理解すること」ととらえ、子供が内容を正しく、深く聞き取れるよう、公開授業では「発問」と「指示」に工夫が見られました。



    【5限】5年生ONE WORLD Smile 5 Lesson 3「I have P.E. on Monday.」(6/8時間目)で育む「深く読む力」


    発問:英文を聞いて、3人の夢の時間割を完成させよう。完成した時間割と夢の授業を線で結ぼう。

    指示:(3問目の英語を聞く前に)どんな英語が聞こえてくるか想像して聞き、ペアで確認しよう。


     授業の終末、計3問のListening問題に取り組みました。2問目まで解答すると、3問目は英語を聞かずとも、消去法で自動的に解答が決まります。賢い子はそれに気づき、英語を聞かずに解答するかもしれません。そうならないよう、英語を聞く前に出てくる英語を予想させました。こうすることで、子供たちは自分の予想が正しいか検証するため、集中してListeningに取り組みました。既知の情報から、新たな情報を予想することは「深く読む力」を育みます。



    【6限】6年生ONE WORLD Smile 6 Lesson 3「Welcome to Japan.」(6/7時間目)で育む「正しく読む力」


    発問:「日本のすてき」について、相手に上手く伝わるように、自分なりの工夫点を考え発表しよう。

    指示:出てきた工夫点を参考に、自分なりに1つ工夫してペアの相手に伝えましょう。

       ペアの相手のどんなところがよかったか、どんな工夫をしたかに注目して聞きましょう


     メイン活動として、ペアで本番に向けての発表練習(発表の練り上げの活動)に取り組みました。ペアを変えて数回発表する中で、英語面での中間指導をした後、子供たちから言語面(情報の追加等)や態度面(声の大きさやトーン、表情等)といった工夫点が挙げられ、全体で共有しました。その後のペアでの発表練習の際に、上の指示が出されました。ただ漠然と英語を聞くのではなく、聞き手が話し手の英語を聞く前に具体的な「聞く視点」を示すことで、子供たちは集中して話し手の発表を聞いていました。「聞く視点」をもって英語を聞くことは「正しく読む力」を育みます。




     2つの授業とも、「帯活動」(表現の定着のために毎回の授業で行われるドリル活動)、「インタラクション」(教えない、問いかけ、共有する指導)、「中間指導」(説明や教える前にまず活動させ、できない、わからないという「困り感」「必要感」をもった後の指導)、ICT活用(デジタル教科書、電子黒板、学習端末の活用)と安定感のある素晴らしい授業でした。子供たちが意欲的に学習に取り組む姿から、普段からしっかりとした授業が行われていることがうかがえ、参観者は多くの示唆を得ることができました。

     

     小学校の外国語活動や外国語科の授業では、「聞くこと」が中心です。聞く活動の中にも、子供たちが意味や内容を正しく、深く読み取る必要がある場面は多くあります。授業者のちょっとした工夫と日々の積み重ねで、子供たちの「読む力」は着実に育まれ、学力向上につながります。各教科で確実に子供たちの「読む力」を高めていただきたいと思います。


  • ICT活用が実現する、「ワクワクとニコニコがあふれる学び」(2024.7.10)

    公開日
    2024/07/10
    更新日
    2024/08/26

    ICT・情報モラル教育

     令和6年1月に中越教育事務所より発行された「授業づくりリーフレット2024」では、学習指導と生徒指導の一体的充実による、「ワクワクとニコニコがあふれる学び」による授業づくりの推進が提案されており、ICT活用は大きな鍵であるとされています。五十沢小学校6年生の国際科(外国語科)の授業では、ICTを効果的に活用し、「ワクワクとニコニコがあふれる授業」が行われていました。



     7月5日(金)、五十沢小学校で6年生の国際科(外国語科)の授業を参観しました。授業では、効果的にICTが活用され、子供たちの「ワクワク」が高まっていました。また、仲間と共に協力し対話しながらタスクに取り組み自己理解や自己効力感が生まれた子供たちの顔には、多くの「ニコニコ」が見られました。


    ICTを活用した資料提示市の国際交流員、商工観光課

     外国語の授業で大切な「英語を話す必然性」を生み出し、子供の興味関心を高めることができるよう、市の商工観光課にお勤めのネイティブの方からビデオレターをいただき、子供たちに「課題」が示されました。本人から、「日本を離れる自分のために、日本の思い出として、南魚沼や日本の名所や文化について教えてほしい」という課題が英語で伝えられました。英語自体は難しいものでしたが、子供たち協力しながら既習事項や話し手の身振り手振り、表情からタスクの内容を聞き取っていました。ICTを活用し、架空の話ではない「リアル」に触れることで、子供たちの「ワクワク」が高まっていくのを感じました。


    動画撮影

     表現について復習した後、ペアで発表練習として動画の撮影が行われました。思いが伝わり、相手の記憶に残るよう、それぞれがジェスチャーなどを工夫して撮影しました。撮影後には、ペアで「よかったよ」「上手」といった賞賛の言葉はもちろん、「ここをもう少しこうした方がよい」「(身体の動きがあるので)全身が写るように撮影してほしい」など、おたがいの発表がさらによいものとなるよう、アドバイスを送り合う姿も見られました。ICTを活用しての動画作成という手段から、子供たちが協力し、おたがいを認め合い、更によいものを追い求めて、「ニコニコ」と学ぶ姿が見られました。


     授業を参観して、子供たちのコミュニケーション力が非常に高く、最小限の教師の指示で、子供たちが主体的に活動している姿が大変印象的でした。この姿は一朝一夕で身につくものではありません。教師が普段から英語での発表活動を仕掛け、子供たちに着実に英語で話す経験を積ませてきたことがうかがえます。


     外国語の授業では「子供たちにいかに英語を聞かせるか(インプット)」「子供たちに英語を話させるか(アウトプット)」が重要です。デジタル教科書や動画等を活用し、子供たちにしっかりとインプットを行い、動画撮影や自らの発表の資料や補助として効果的にICTを活用し、子供たちにしっかりとアウトプットさせることで、子供たちの英語力は育まれます。「ワクワクとニコニコがあふれる学び」を実現できるよう、更にICTの活用を推進しましょう。


  • 小学校外国語科におけるICTの活用~示範授業から学ぶ~(2024.6.27)

    公開日
    2024/06/27
    更新日
    2024/08/26

    ICT・情報モラル教育

     6月25日(火)、新潟大学附属新潟小学校より加藤大祐様を講師にお招きし、六日町小学校で「小学校外国語科の示範授業・講演会」を行いました。ICTの活用をメインに、翻訳アプリやデジタル教科書等の授業での活用法と活用する上で大切にしたいことから、言語活動を軸とした授業づくりのポイントまで、ICTをメインテーマにお話しいただきました。



     示範授業は5年生で行われました。授業前から復習として、YouTubeを活用し子供たちと「月の名前」の歌を歌い、和やかな雰囲気で授業が始まりました。


     冒頭、Google翻訳を活用してそれぞれの言語で「こんにちは」というあいさつは何というのかについて、音声を聞きながら調べました。トルコ語やネパール語などなかなか聞くことのできないあいさつに子供たちは興味を示し、翻訳サイトの便利さ、技術の進歩が言葉の壁を超えることを実感しました。


     その後、Google翻訳を使って英語に翻訳した講師の自己紹介が示されました。翻訳された自己紹介の英語には様々な「誤訳」があり、子供たちは意味を推察しながら、「なぜ間違いが起こったのか」について考えました。翻訳サイトの便利さを実感しつつも、子供たちは「必ずしも正しいわけではない」「自分の口で、自分の言葉で伝えることが大切」ということを学びました。


     次に、子供たちは実際にデジタル教科書を操作しました。あまり慣れていない子供たちに自由に触らせ、「どのように操作するのか」「何ができるのか」について確認しました。


     終末、「言葉は道具」「心の中の伝えたいことや伝えたい気持ちが大切」という先生の言葉から、子供たちはICTの便利さと活用する上で、また言語学習において大切にすべきことを学びました。


     その後の講演会で、前半は実際に使用しながら様々なサイトやアプリが紹介されました。中盤は外国語授業の核である「言語活動」を成立させるための単元づくりと評価についてお話しいただきました。後半はグループに分かれ、小学校5、6年生の実際の単元で言語活動を軸とした授業を構想し発表し合いました。


     外国語では、常に「なぜ外国語を学ぶ必要があるのか」という疑問が子供たちに浮かびます。「授業で『子供たちをわくわくさせる』ことが、『外国語を学ぶ必然性』につながる」という先生の言葉から授業改善についても示唆を得ることができ、大変有意義な研修となりました。お忙しいところ講師をお引き受けいただいた加藤先生に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。


  • 算数の授業における読む力育成の取組 ~塩沢小学校5年~(2024.6.19)

    公開日
    2024/06/19
    更新日
    2024/08/27

    「読む力」の育成

     塩沢小学校では、子供の実態を基に、国語と算数で育む「読む力」を具体的に設定して授業研究に取り組んでいます。


    公開授業

     6月18日(火)、塩沢小学校で、塩沢中学校区の教職員が参加し授業研修会が行われました。5年生の算数の公開授業は、単元「単位量あたりの大きさ⑴」で、次の問題を基に「単位量あたりの大きさ」の定義とその求め方を理解することをねらいとしたものでした。


    【問題】重さが480gで長さが8mのAのはり金と、

       重さが750gで長さが15mのBのはり金があります。

       どちらが重いはり金だといえますか。

     

     この問題を「正しく読む」ために、3つの活動を行いました。

     ①音読する(1字1字見過ごさすに読むため)

     ②わかっている数量と求めることを分ける(問題の要素を捉えるため)

     ③表や数直線をかいて数量を記入する(数量の関係を整理して捉えるため)


     これらを子供一人一人が行うようにしてきている点がすばらしいと思いました。

     ②の後で、教師が子供に予想を促すと、子供たちは前時の「混む具合」を比べる学習を基に、「長さがちがうから比べられない」「1mあたりの重さを求めると比べられる」と発言しました。これらの発言を受け、③に進んでいきました。


     この問題(の解決方法)について「深く読む」ために、2つの活動を行いました。

     ①整理した表や数直線を基に式を立てる(根拠を明らかにして考えるため)

     ②立式の過程を説明する(自分の考えを筋道立てて表現するため)


    研究協議会

     授業の構想も協議題も「読む力」の視点が明示されていたため、参会者はその視点から子供の学びを解釈することができ、授業の成果と課題を明確にすることができました。共有された成果と課題を、各自が自身の授業に照らし、今後自分も授業で大切にすべきことを捉えようとしている姿も見ることができました。とても有意義な時間となりました。


  • 教育講演会(示範授業)で学ぶ「ICT活用法」(2024.6.6)

    公開日
    2024/06/06
    更新日
    2024/08/26

    ICT・情報モラル教育

     学習へのICT活用は、これまでの「とりあえず使う」から、「教育効果や学習の効率を考え、(子供たちも含め)取捨選択して使う 」へと移り変わっています。ICTの技術は日々進歩し、新しい技術やアプリが開発されています。我々教員は常に新しいICT技術に触れ、何を、どのように活用するのが、目の前にいる子供たちにとって教育効果が高いのかを考え、適切に取捨選択して活用する必要があります。示範授業でお教えいただいた、オンライン掲示板(Padlet)の活用は大変興味深く、大きな可能性を感じました。



     今年度の教育講演会は形を変え、管内の先生方の授業の参考となるよう、小学校の国語、算数、外国語科の示範授業を公開します。1回目として、6月4日(水)に北辰小学校にて、新潟大学附属新潟小学校より石塚正人先生をお招きし、小学校3年生の算数の示範授業が行われました。石塚先生がICTをどのように活用されていたかをご紹介します。


    Webブラウザで使えるオンライン掲示板の使用

     授業の前に子供たちにQRコードを読み取らせ、掲示板アプリ「Padlet(パドレット)」にアクセスします。「たすけて〜!」と「ヒント♪」のシートを事前に作っておき、そのシートにコメントしたいときに入力させるます。授業中にリアルタイムで子供たちの意見を吸い上げます 。「 個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」という視点からも、有効な手立てであると感じました。


    電子黒板+教師用端末(タブレット)による教材の提示と操作

     教師用端末から電子黒板に計算問題を表示します。数字が書いてある18枚のカードを用意し、「児童→教師→児童→教師→児童」の順に数字を選びます。その都度、子供と確認しながら実際にカードを操作します。選んだ数字を画面右側に動かすことで、子供たちと一緒に、その場で5つの数字を足す計算問題を作成し、表示できるというICTのよさを示してくださいました。わかりやすく提示することはもちろん、教材を操作して動かすことで、子供たちの興味関心も高まる手立てであると感じました。

     また、「これからの算数授業づくり-知識を身に付け、感覚を豊かに-」という演題の講演では、「算数×ICT」というトピックでもお話いただきました。「学習者用端末を『知識の保管庫』として考えると授業の中での活用の場が広がる」「教材・教具として問題提示場面でICTを活用するとよい」など、ICTの効果的な活用に向けて多くのご示唆をいただきました。


     

     令和6年度の県の「学校教育の重点」には、「ICT活用による個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」が示されています。また、令和6年3月に発出された県の「新潟県学校教育情報化推進行動計画」には、「本県の教員が授業中にICTを活用して指導する能力は全国平均並みであるものの、学校間や教員間で意識やスキルに差がみられることから、教員のICT活用指導力の更なる向上が必要」と示されています。不得意な先生方も多いかと思います。センターでは、これまで行われた「Googleクラスルーム基本研修」から「クラスルーム作成編」の動画をオンデマンドでの提供、また8月には、リニューアルされる「オクリンクプラス」の研修を計画しております。これらの研修等をご活用いただき、今後とも先生方には、さらにICTの活用を推進し、子供たちの学びの質を高めていただきたいと思います。今回、示範授業でご指導いただいた石塚正人先生には大変感謝申し上げます。ありがとうございました。


  • 「令和6年度 第1回 学力向上推進研修」でキックオフ(2024.5.17)

    公開日
    2024/05/17
    更新日
    2024/08/26

    「読む力」の育成

     5月14日(火)、今年度の第1回学力向上推進研修が開催されました。昨年度、1年目に先生方よりいただいた数々の実践、疑問、指摘等から、今年度はセンターとして以下の方向性をお示しすることができました。


    令和6年度は「正しく読む力」に焦点を当てる

    授業の基本的な技術である「発問」と「指示」によって、各教科の「正しく読む力」「深く読む力」を育む

    様々な教科等に共通する取組として、「音読」「言葉の意味確認」「視写」を取り入れる

    その他、「授業、家庭学習で復習や練習の場を設ける」「ICTを活用する」ことで、「読む力」を育む



     5月14日(火)、令和6年度 第1回 学力向上推進研修が行われました。学力向上のための取組を各学校で推進する研究主任と管理職が参加し、学習指導センターからの事業説明と、学校間での情報交換を行いました。参加者の意欲的な姿を見て、キックオフに相応しい会となりました。


     開会のあいさつでは、岡村教育長が、先生方への激励の後、南魚沼市が「読む力」育成に重点を置くに至った経緯を説明しました。また、脳科学の視点から「 読むことは脳の全身運動である 」という話を紹介し、読むことは思っている以上に大変であること、読むためには、読みたくなる気持ちや読まざるを得ない状況が大切であることに言及しました。

     

     その後、学習指導センター指導主事が、南魚沼市の「読む力」の見解、「読む力」を育むための取組例を説明しました。これらの話や説明について、参加者から次のような声をいただきました。

    ・「読む力を高めることは豊かな人間性を養うことである」という教育長のお話から、未来が明るく感じられた。

    ・国語や算数など教科に応じて具体例が示されたことで、「私たちも授業でこうしてみよう」とイメージが湧いた。

    ・授業改善を確実に行っていくことなのだと思った。学習指導要領が示している「知識・技能」が「正しく読む力」、「思考・判断・表現」が「深く読む力」に密接に関わっていると思った。

    ・「指導案に読む力を育む取組を入れ意図的に授業する」という点が昨年度と違い、具体的に示されたように感じた。


     後半、「『読む力』を育む学校の本年度の取組」をテーマに情報交換を行い、以下のような取組や感想が聞かれました。

    ・朝読書や音読、読み聞かせを通して、読むことを楽しむことを大切にする。

    ・新聞記事などを活用する。

    ・道徳を1つの柱にして全校で同じ取組をする。

    ・読む・書く・話す・聞くといった4技能を統合した活動にする。

    ・文章のポイントに線を引くこと、言葉の意味を確認すること、漢字に習熟することを大切にする。

    ・問題で問われていることが理解できるように指導する。

    ・リーディングスキルテストの7項目から「読む力」を焦点付けて取り組む。

    ・まず教師が「読むこと」を意識する。

    ・授業の中で「読む力」を育む取組を指導案に明記して取り組む。

    ・国語・算数・外国語に重点を置き、職員がチームとなって取り組む。

    ・近隣の学校との情報交換で、互いの悩みや問題点、取り組んでみたいことが分かりあえてよかった。

    ・各校の取組状況について、情報交換の時間もあり、今後の実践の参考となった。


     南魚沼市の「読む力」の育成の取組について、昨年度の各校、各先生方のご協力に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。南魚沼の子供たちのため、今後とも「読む力」の育成につきまして、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。


  • 令和6年度、センターのICT活用研修が変わりました(2024.5.17)

    公開日
    2024/05/17
    更新日
    2024/08/26

    ICT・情報モラル教育

     令和6年3月に文部科学省初等中等教育局学校デジタル化プロジェクトチームより公表された「GIGAスクール構想の下での校務DX化チェックリスト」、令和6年3月に公表された「新潟県学校教育情報化推進行動計画」の中で示されているとおり、学習者用端末(iPad)の更なる活用が求められています。一層の活用を目指し、センターは新しい形でのICT活用研修を実施します。



     より先生方が参加しやすく、よりICT活用の推進が図られるよう、今年度、センターのほぼ全てのICT研修は以下のように実施します。


    ・Google Meetによるオンライン研修

    ・16時20分から40分まで、20分間の短時間研修

    ・同一の内容を複数回、くり返し実施

    ・オンデマンド動画で、いつでも視聴可能(現在、作成中)

    ・活用頻度の高いアプリやサービスに特化しての研修(Googleクラスルーム、Googleドライブ、ドリルパーク、オクリンク(プラス)、デジタル教科書等)

    ・説明を視聴しながら、実習形式での研修

    ・原則、事前の申込は不要(出欠確認もしません)

    ※研修は約1月前に文書にて、また、C4thの連絡掲示板(新設)にてご案内します


     4月から5月、これまでに計10回のオンライン研修を実施しました。実際の参加者数は正確には把握しておりませんが、Googleクラスルーム研修時に研修クラスに招待した先生方は計70名、1台の視聴用端末を電子黒板等に繋ぎ、複数名の先生で参加される、学校単位で申込されるなど、大変多くの先生方に参加していただきました。ありがとうございます。


     ICT活用は、「個別最適な学び」「協働的な学び」に大変有効な手段であり、「主体的・対話的で深い学び」の実現に不可欠です。ICTが苦手な先生方、ぜひセンター主催のICT研修にご参加ください。研修後の質問、問い合わせも受け付けております。わからないこと、活用の相談等がありましたら、お気軽に担当までご連絡ください(担当:中村)。


     学習指導センターでは、今年度も先生方のICT活用スキルの向上を支援します。


  • 令和6年度 RSTを受検する小中学校について(2024.4.1)

    公開日
    2024/04/01
    更新日
    2024/09/09

    「読む力」の育成

     令和6年度、6月にRSTを受検する学校は、以下の学校の子どもたち(小学6年生・中学1〜3年生)です。


    ・北辰小学校(実証研究校)

    ・六日町小学校(実証研究校)

    ・六日町中学校(実証研究校)

    ・赤石小学校

    ・大崎小学校

    ・城内小学校

    ・おおまき小学校

    ・五十沢小学校

    ・上田小学校

    ・塩沢小学校

    ・中之島小学校

    ・石打小学校


  • 「読む力」の育成 〜1年間の取組から見えてきたもの〜(2024.2.7)

    公開日
    2024/02/27
    更新日
    2024/08/27

    「読む力」の育成

     南魚沼市の学力向上に向けた取組である「読む力」の育成が始まり約1年間が経ちました。実証研究校の実践から、数値では測れない、子供たちの「『読む力』が高まった姿」を実際にいくつも見ることができたこと、それこそが「成果」です。



     2月6日(火)、令和5年度第2回研究主任及び管理職必修研修が行われました。冒頭のあいさつで、岡村センター長(教育長)から「様々な場面で生成AIが活用される今日、生成AIが導き出す『もっともらしい回答』に対して、『正しく読む力』と『深く読む力』、とりわけ『批判的に読む力』(深く読む力)が重要である」との力強いお言葉をいただきました。


     その後、実証研究校3校(北辰小・六日町小・六日町中)から、1年間の実践について発表がありました。


     北辰小学校からは、教科特性に応じた授業提案とメンター制による授業改善と学級経営の中で読む力育成の取組を進め、成果のあった手立てについて教職員で共有するという取組が紹介されました。


     六日町小学校からは、1年間、「多読を重視した全校朝読書」「学年で目指す子供像に基づき学級の実態に応じた継続指導」「授業公開」に取り組み、子供の読むことへの姿勢、語彙量や作文量の増加等の変容が見られたことが紹介されました。


     六日町中学校からは、RSTの分析から生徒の実態を把握し、各教科で「技術と読む経験を積む活動」「入力→構築→出力からなる活動」「他者とかかわる活動」「ICTを活用した活動」から「読む力」を育む取組が紹介されました。


     その後、センター指導主事が「1年間の各校の取組で見えてきたこと」「実際の授業や各種研修会に参加して見聞きした具体的な取組」「来年度に向けて」の3つの柱で、1年間の取組についてふり返りました。

     

    1年間の取組で見えてきたもの

    ・「読む力」は生きていく上で、そして学力向上に必要不可欠な要素の1つである

    ・「読む力」の育成は、学力向上に向けた1つの手段である

    ・「読む力」は単体で育まれるものではない

    ・「文を読む力」だけが「読む力」ではない

    ・各教科に必ず「正しく・深く読む」場面は存在する

    ・共通の取組と教科独自の取組がある

    ・取組の自由度は高い

    ・シンプルな取組でも必ず効果がある

    ・RSTは重要な客観的な資料である


    実証研究校を中心とした授業の中で見られた具体的な取組

    ・様々な目的や方法による音読

    ・様々な目的や方法で文章に線を引く

    ・視写や聴写

    ・読書(+読書感想文や書評づくり)

    ・指示語等が何を指すのかの確認

    ・単語ではなく文で応答することの徹底

    ・複数の資料の提示

    ・読み取った内容の言語化や動作化

    ・文章や数式を図や表で提示

    ・読み取った内容から図や表を作成


    来年度に向けて

    ・市内一丸となって、継続して読む力育成の取組を推進する(粘り強く「読む力」の育成に取り組む1年とする)

    ・「聞く」「話す」「書く」と効果的に組み合わせて「読む力」を育む(「学びの基礎力」を基にして)

    ・家庭学習の充実を図る(授業と家庭でよい「学びのループ」をつくる)

    ・ICTを一層活用する(デジタル、アナログ双方の教育効果や作業効率等を考え、子供たちも含め適切に取捨選択しながらICTを活用する)


     後半は、お集まりいただいた各校の管理職と研究主任で来年度に向けての研修の方向性等を話し合う時間を設けました。普段、こういった時間はあまりとれないため、有意義な時間となりました。


     今回、大変充実した研修が実施できましたのは、「読む力」の育成に向けた各校の各種取組の賜物であると考えます。大変ありがとうございました。


     全ては南魚沼の子供たちの未来のため 、子供たちが生きていく上で必要な、そして学力向上に不可欠な「読む力」を高めることができるよう、来年度も南魚沼市学習指導センターは様々な面で学校、先生方を支援してまいります。


  • ICTを活用した「普段の授業」 〜先生方の授業はどうですか〜(2024.1.18)

    公開日
    2024/01/18
    更新日
    2024/08/27

    ICT・情報モラル教育

     先生方は「普段の授業」でどのようにICTを活用しているでしょうか。市内中学校の英語の授業では、普段からこのようにICTを活用しています。



     1月17日(水)、中越教育事務所の指導主事より、塩沢中学校で県の英語の専門監が授業を参観し指導する様子を指導主事として参観する機会をいただきました。定期的に行われている専門監の参観ですので、特に指導案もない、「普段の授業」を見せていただきました。授業の素晴らしさもさることながら、そこでは「当たり前」のようにICTが活用されていました。ました。実際に普段の授業でどのようにICTが活用されているのか、先生方の参考になればと紹介させていただきます。


     

    ワークシートの配信、直接解答を書き込み、丸つけをして提出

    ロイロノートやオクリンク、Googleクラスルーム等を用いて教材を配信すれば…

    ・印刷する手間も配付する時間も省くことができます。

    ・なくしたり、紙がくちゃくちゃになったりする心配もありません。

    ・スタイラスペンで直接解答を書き込みます。ワークシートは自由に拡大・縮小ができますので、解答欄が小さすぎて解答が書けないといったことは起こりません。

    ・「戻る」ボタンで1つ前に書き込んだ解答まで瞬時に戻りますので、何度でも書いたり消したりが可能です。消しゴムのくずも出ませんので、教室の美化にもつながります。


    丸つけをしたワークシートをすぐに提出させれば…

    ・回収する時間が省けます。

    ・ひと目で提出状況がわかりますので、未提出者を確認する手間も省けます。

    ・あってはならない、回収したワークシートの紛失も起こりません。

     

    画面を見て、聞いて、読む「デジタルフラッシュカード」

    デジタル教科書にあるフラッシュカードを用いれば…

    教科書会社作成の高額なフラッシュカード教材を購入したり、自作したりする必要はありません。

    ・正しい発音やアクセントで、任意の一定のリズムで学習することができます。

    ・カードの持ち運びや保管の手間、劣化もありません


    音読は「カラオケ方式」

    英語で教師の後について音読する場合、読むスピードが遅くなったり、自然な音読にならなかったりする場合がありますが、電子黒板に本文が表示され、「カラオケ」のように読んでいる場所の色が変わっていくので…

    ・適切なスピードでの音読が可能になります。

    ・一斉音読以外にも、個別に何度でもくり返して聞いて練習できるので、同じ音読練習の時間でも2倍、3倍の練習が可能です。また、うまく読めなかったところくり返し、重点的に練習することができますので、効果的な音読練習が可能です。

    ・授業での学びを活かし、宿題として音読を録音・録画して提出させることもできます。


    電子黒板に直接書き込んで説明

    わざわざ黒板に書かずとも、電子黒板に直接書き込みながら説明することができ…

    ・拡大・縮小、新しいページを表示させることも可能、ペンの色や太さも自由に変えることができるので、重要な部分を強調することができます。

    ・チョークを使う回数が減るので、落として砕けてしまったり、消す際に粉がまったりすることがなく、教室の美化につながります。

    ・書き込んだ内容は画像データ等で子供たちに配信することもでき、板書の時間を省くことができます。

    ・配信した画像を基に、宿題として家で板書の内容を改めてノートにまとめ直すなど、効果的な復習が可能です。



     授業で子供たちは普段どおり学習用端末を活用して学習していました。教壇に立たれた先生も操作に迷うことなく、当たり前に端末や電子黒板を操作していきます。学習用端末を使用しない学習場面では、子供たちにしっかりと学習用端末をしまうよう指示を出すなど、使い慣れている様子がうかがえました。


     このように市内の小中学校では、多くの先生方が日常的にICTを活用し、子供たちの学力向上に努めています。ICTを活用することで内容をそのままに活動時間を短縮することができ、その分、時間をかけたい活動に厚みをもたせたり、もう1つ新たな活動を取り入れたりすることが可能です。また、ICTを活用し授業準備等の効率化が図られれば、それだけ子供と向き合う時間も確保できます。


     近い将来、全ての授業で学習用端末を活用した授業が行われるようになります。「なかなか普段使いは…」とお感じの先生方、今ならまだ間に合います、まずは電子黒板を活用した資料の提示から始めましょう。先生方も子供たちもICTの利点を享受できるよう、学習指導センターでは実践例を紹介したり、要請があれば指導主事が訪問して研修を行ったりと、先生方のICT活用を支援します。


  • 全ての教職員のICT活用を目指して 〜第2回南魚沼郡市学校事務共同実施研修会〜(2023.12.06)

    公開日
    2023/12/06
    更新日
    2024/08/27

    ICT・情報モラル教育

     市内の学校でのICTの活用は着実に進んでいますが、まだまだ十分とは言えません。また、学校や教職員間の「格差」が開いていることも感じています。言葉や文章だけでなく、「体験」をとおして教職員がICTの利便性を「実感」することで、その「格差」は埋まり、一層のICT活用が図られると考えています。



     12月6日(水)、第2回南魚沼郡市学校事務共同実施研修会が実施され、研修の一環としてICT活用研修が行われました。


     冒頭、指導主事が行政による環境整備(ソフトとハード両面の強化)、教職員の授業や校務の効率化と多忙化解消に向けた活用に対する意識改革、児童生徒の教育活動でのICTの積極的な活用による学習効果の高まりというICT活用の方向性について端的に説明しました。


     その後、参加者は実際に学習端末を操作し、児童生徒の立場でGoogleクラスルームに参加し、Jamboradによる「協働作業」を体験しました。まずはJamboardの操作に慣れる意味で、「子供の頃、学校で経験した思い出深い遊びやレクリエーション」についての付箋を作成しました。その後、4〜5名のグループに分かれて、付箋に書かれた学校での思い出の遊びやレクリエーションについて、理由も含めて発表し合いました。


     グループでの発表後、指導主事が「教師」、参加者が「児童生徒」となり、「クラスに留学生が訪問することになり、一緒に活動する遊びやレクリエーションについて考え、提案する」という設定の実習を行いました。

     

     グループごとに理由を添えて付箋に書いた遊びやレクリエーションを提案し、その後、Googleクラスルームの質問機能を活用し、多数決でクラスで行う遊びやレクリエーションを決定しました。終始和やかな雰囲気ながら、熱心に実習に取り組む事務職員の方々の姿からは、「教育に携わる者として、児童生徒のために」という強い想いが伝わってきました。実習をとおして、事務職員の方々は児童生徒が授業でどのように学習端末を活用しているのかを体験することができました。また、デジタルホワイトボードによる「協働的な学び」 、 意見や回答の「即時共有」といったICT活用の「教育効果」や「利便性」を実感することができ、大変実り多い研修となりました。


     センターでは、学校に関わる全ての人がICTの「利便性」や「教育効果」を実際に体験することがICT活用を一層推進する上で大切であると考え、各校でよりICTが活用されるよう実習を中心とした研修を実施しています。要請をいただければ、教職員向けの研修会のみならず、児童生徒向けの講演や実際の授業等にも対応しております。各校で一層の活用が進むよう、ぜひセンターのICT研修をご利用ください。


  • シンプルな手立ての継続が育む「読む力」 〜読む力育成に向けた授業づくり研修(小学校国語)〜(2023.11.30)

    公開日
    2023/11/30
    更新日
    2024/08/27

    「読む力」の育成

     授業の中で、「指でなぞりながら音読する」場面がありました。冒頭は先生が指示をしていましたが、途中の音読では指示をしなくても子供は指でなぞりながら音読していました。目だけではどこを読んでいるのか追えない子供が、しっかりと音読することができます。指でなぞることで、子供は一字一句正確に読もうとします。音読が動作と結びつくことで子供の思考が促進され、内容の理解が進みます。普段から継続して実践することで、習慣化し、より効果が高まります。



     11月30日(木)、実証研究校である六日町小学校にて読む力育成に向けた授業づくり研修が行われました。公開された小学校1年生の国語の授業では「おとうとねずみチロ」の単元で「おばあちゃんに呼びかける場面の叙述をもとにチロの様子や気持ちを想像して、音読の仕方を考える」をねらいとした授業が公開されました。


     冒頭、子供たちは教科書の文章を音読しました。その際、子供たちは指で文章をなぞりながら音読していました。その後、本時の内容を「誰が」「何を」「どのようなことを言ったのか」を確認し、それぞれの場面でのセリフにはどのような感情が込められており、どのように読んだらよいのかについて、ワークシートに記述しました。授業の終末、子供たちは前に出て、感情が表現できるよう工夫を凝らして実際のセリフを音読しました。子供たちは物語に親しみながら、楽しく学習していました。

     

     授業は大変ていねいに進められました。「指でなぞりながら音読する」「5W1Hを確認する」「ワークシートの教科書の文章のコピーに線を引く」など、随所に「読む力」を高める工夫や手立てが織り交ぜられており、子供たちの「読む力」を育もうという教師の姿勢が現れていました。「指でなぞりながら音読する」「5W1Hを確認する」といった手立ては、普段から継続して実践されていることがうかがわれ、子供たちは指示がなくても指でなぞりながら音読したり、5W1Hを想定しながら読んだりする姿が見られました。


     「読む力」を高めるというと、何か特別な、大きな手立てを講じなければならないと先生方は身構えてしまうかもしれません。しかし、些細な手立てを組み合わせることにより大きな手立てとなります。そして、手立てを継続することで子供たちの「読む力」は着実に育まれます。また、「読む力」を1つの視点に授業を組み立てることで、教師の授業改善が進み、子供たちの学力向上につながります。来年度は、いよいよ全ての学校で「読む力」の育成が実践の年を迎えます。先生方が一丸となって、それぞれの読む力育成の取組を進め、子供たちの学力向上を図りましょう。


     今回、南魚沼市学習指導センターの研修講座に際し、素晴らしい学びの姿を見せてくれた六日町小学校の子供たちとご協力いただいた先生方に感謝申し上げます。ありがとうございました。