記事

  • センターだより掲載のお知らせ

    公開日
    2025/09/25
    更新日
    2025/09/24

    お知らせ

    画像はありません

    配布文書のページにセンターだよりと理センだよりの第6号(令和7年9月号)を掲載しました。

  • 情報モラル研修

    公開日
    2025/09/19
    更新日
    2025/09/19

    ICT・情報モラル教育

     7月28日(月)センター主催の「情報モラル教育研修」が行われました。今年度は講師に一般財団法人インターネット協会の大久保 真紀様をお招きし「社会で、デジタルウエルビーイングを!」演題に対話形式による研修を実施しました。以下に講演の概要をお伝えします。



     近年、インターネットの利用が低年齢化し、長時間の使用も加速しています。このような状況の中で、大人が「使いすぎでは?」と心配して声をかける場面も増えています。しかし、子どもたちが夢中になっていることを頭ごなしに否定するのではなく、対話を重ねることが大切です。


     今、求められているのは「デジタルシチズンシップ教育」です。これは、デジタル技術を活用して社会に積極的に関わり、参加できる人を育てる教育です。そのためには、大人自身が情報モラル(適切な行動の考え方や態度)や情報リテラシー(情報を選び活用する力)を理解し、子どもとの継続的な対話を通じて関わっていくことが求められます。


     子どもたちが情報を見るのをやめられない背景には、アルゴリズムによって趣味や関心に合った情報が繰り返し表示される仕組みがあります。だからこそ、「本当にそうなのか?」「他の見方はないか?」と疑問を持ち、客観的・論理的に考える力(クリティカルシンキング)を育てることが重要です。


     また、インターネットへの投稿が「非日常の楽しみ」として無意識に行われることもあります。こうした状況では、思いやりや配慮が欠けてしまう危険性もあります。他者への意識や客観性を育むために、学校での体験活動を大切にしていきたいところです。


     最近では、「親がスマホを自分より大事にしている」と感じる子どもが約2割いるという調査もあります。スマホなどのデジタル機器は、「幸せのため」に使うものであるべきです。大人も子どもも、スマホとの向き合い方を見つめ直しながら、心身ともに健やかにデジタルを活用できる社会(デジタル・ウェルビーイング)の実現を目指していきましょう。


  • 令和7年度 市内教員全体研修・教育講演 ~子どもたちのシン読解力を育む授業とは~(2025.8.20)

    公開日
    2025/08/22
    更新日
    2025/08/25

    「読む力」の育成

     8月20日(水)、令和7年度 教員全体研修として教育講演が行われました。今年度も一般社団法人「教育のための科学研究所」より、上席研究員の目黒朋子様をお迎えしました。市内の学校より330名程の多くの先生方が参加しました。「シン読解力」とは、教科書を読み解くために必要な読解力のことを指します。



     授業内外での指導例を具体的に示していただきました。

    「シン読解力」を育む授業(会津美里町立高田小学校の授業より)

    10分予習

     ・教科書を読んで気になる部分や大切だと思う部分に線を引いたり、資料と対応する本文の部分を矢印で結んだりする。

     ※低学年は3分復習・3分予習 (ランドセルに翌日の準備をする時に教科書を見る)

    ◇掲示物

     ・グラフの読み取り方 (タイトル、軸の内容と単位、変化、ちがい、など)

     ・助詞の穴埋め問題 (例.私□、おじいちゃん□てがみ□おくりました。)   など

    ◇ICTの活用

     ・Google Classroomで教科書の読み方やWebニュースなどを閲覧できるようにする。

     ・電子黒板で、本時授業の流れや資料を提示する。

    ◇RSの視点を取り入れた活動

     ・教科書で根拠を共有する。

     ・音読して定義を確認する。

     ・課題を共書きする。   など

    ◇RSノートの活用

    RSノート

     ・朝の帯時間などを利用して行う。

     ・教師が意図的に、教科書から既習の教材文を扱い、次のような活動を行う。

      ①目標設定 (1分間で視写したい文字数の目標を各自が立てる)※目安「学年×10」

      ②頁を開く (教科書の指定された頁をすばやく開く)

      ③指さし確認 (指定された文章をすばやく見付ける)

      ④黙読 (自分は文章が読めるか、どんなことが書かれているかを大まかに捉える)

      ⑤一斉音読 (皆でことばのまとまりに注意して読んで文意を捉える)

      ⑥範読 (子供は聞きながら文章や言葉の読み方を確認して文意を捉える)

      ⑦視写 (1分間視写する)

      ⑧点検 (隣の人と交換して誤字をチェックする)

      ⑨評価 (正しく視写した文字数を計算して記録し目標と照らし合わせる)

      ⑩内容確認 (係り受けや照応などRSの視点からの発問に対し文章を基に答える)

     ・特に②③④⑤⑦は、授業の課題に関係なく学習に必要な作業であり、これらが自然にできると、課題に集中して取り組むことができるようになる。

     ・⑩は、教科書を正しく読み、教科の用語に慣れ親しむ上で重要な活動である。




     以上のことを実践している小学校の実際の授業や児童の日常会話は、私たちにとってよい刺激となりました。この研修を踏まえ、各学校と共に「読む力」育成に向けた取組を継続するとともに、その質を上げていきましょう。



  • センターだより掲載のお知らせ

    公開日
    2025/08/22
    更新日
    2025/08/21

    お知らせ

    画像はありません

    配布文書のページにセンターだよりと理センだよりの第5号(令和7年8月号)を掲載しました。

  • センターだより掲載のお知らせ

    公開日
    2025/07/17
    更新日
    2025/07/17

    お知らせ

    画像はありません

    配布文書のページにセンターだよりと理センだよりの第4号(令和7年7月号)を掲載しました。

  • Google Classroomを活用した授業実践

    公開日
    2025/07/15
    更新日
    2025/07/15

    ICT・情報モラル教育

     南魚沼市国際科では英語によるコミュニケーションを通して、相手の思いを受け止めたり、自国の文化や伝統の良さに気づいたりできる『心豊かでたくましい児童生徒の育成』を目指しています。

     先日、学習指導センターのGoogle Classroomに市内の小学生より動画が送られてきました。国際科6年生が単元のまとめとして自分の地域のおすすめを紹介する動画でした。子どもたちはどう表現すれば、相手が興味をもってくれる動画になるか個人練習や話し合いを重ねながら試行錯誤した結果、相手意識をもった魅力的な動画となっていました。パフォーマンス練習を行う際に、ICTを効果的に活用していたのも良かったようです。

     現在、国際科では、地域の国際大学の生徒と実際にコミュニケーションを取ったり、メッセージや作品を送ったりする等の目標を設定して英語学習や国際理解活動に取り組んでいます。メッセージや作品のやりとりを行う際にもICTを活用した工夫された取組が行われています。



    画像はありません

  • 「読む力」育成に向けた授業づくり研修(社会科)が行われました(2025.7.8)

    公開日
    2025/07/09
    更新日
    2025/07/09

    「読む力」の育成

     南魚沼市学習指導センターでは、市内の学校の先生方と共に「読む力」育成のための取り組み方について研修を行っています。

    7月8日(火)に六日町中学校で、授業づくり研修が行われました。



    公開授業

     授業は、2年生の社会科『日本の諸地域』中国・四国地方の学習でした。

     課題は、「中国・四国地方における人口減少の現状と要因などを、様々な資料を組み合わせて説明すること」でした。

    そのために、本時は、グループごとに異なる資料を読み、読み取ったことを交流する活動が行われました。

     子供は話し合いながら、資料から分かることを書き出していきました(正しく読む)。

    教師はグループを見て回り、必要に応じて「資料のタイトルの意味は?」「何が増えて、何が減っている?いつから変わっている?」などと、読む視点について助言しました。

     グループの発表では、その都度教師は読み取られたことを評価し、事実の背景について補足しました。

    その後は、発表内容を基に、各自が課題に対する考えをまとめることにしました(深く読む)。

     どの子供も主体的・対話的に取り組んでいて、子供たちの❝社会科好き❞が感じられる授業でした。


    研究協議

     協議内容は「子供は資料を正しく読んでいたか」「子供の姿を支えた有効な手だては何であったか」「他にどのような手だてが必要か」でした。

    先生方が授業で見取ったことを基に、議論が活発に行われ、次のことが共有されました。

    資料を正しく読むために

    ・資料を読もうとする上で、子供が資料に興味をもつ必要がある。

    ・課題解決に必要な資料を選択判断することも、正しく読む力として大切である。

    ・ここで行うことは、資料に直接表されている「事実」を示すことであり、「推測」と分けなければならないことを理解する必要がある。

    ・資料を正しく読む上で、その資料から明らかにしようとすること(問い)をもつ必要がある。

     さらに、資料を読む視点をもつ必要がある。

    ・他のグループの説明を理解する上で、「資料のどこを、どのように見ると、どういうことが分かるか」といった、各グループの思考のプロセスを共有する必要がある。

     資料の読み方は正しいか、説明で不明な点はないか、子供が質疑応答するとよりよい。

    ・与えられた資料が課題に対しなぜ必要なのかについて見通しをもつ上で、課題を解決するために必要となる複数の小課題(問い)を最初に共有し、

     すべての小課題に関わる資料を予めひととおり見ておくとよい。

    その他

    ・グループで協力して活動を行う上で、日頃の学級指導や教科指導で、教師と子供たち、子供同士の信頼関係をつくっていくことが大切である。


  • センターだより掲載のお知らせ

    公開日
    2025/06/19
    更新日
    2025/06/17

    お知らせ

    画像はありません

    配布文書のページにセンターだよりと理センだよりの第3号(令和7年6月号)を掲載しました。

  • センターだより掲載のお知らせ

    公開日
    2025/05/22
    更新日
    2025/05/22

    お知らせ

    画像はありません

    配布文書のページにセンターだよりと理センだよりの第2号(令和7年5月号)を掲載しました。

  • 「令和7年度 第1回 学力向上推進研修」が行われました(2025.5.13)

    公開日
    2025/05/19
    更新日
    2025/05/19

    「読む力」の育成

     5月13日(火)、令和7年度 第1回 学力向上推進研修がありました。学力向上のための取組を各学校で推進する研究主任と管理職が参加し、学習指導センターから事業説明を、学校間で情報交換を行いました。参加者の高い関心と前向きな気持ちが感じられる会になりました。



    開会のあいさつ

     岡村教育長が、学校現場で教育活動に尽力いただいている先生方へ感謝と激励を伝えた後、南魚沼市が「読む力」育成に重点を置くに至った経緯を話しました。そして、「『読む力』は、『学力向上』のためだけでなく、仕事や生活をしていく上で『生涯にわたり必要な力』であるため、義務教育段階で指導することは意義深い」といったお話がありました。


    学習指導センターの説明

     学習指導センター指導主事が、「読む力」育成についての南魚沼市の考え、「読む力」を育むための取組例、本年度の事業計画を説明しました。RST(リーディングスキルテスト)が対象としている「正しく読む力」を解説し、実証研究校(北辰小・六日町小中)の各教科の授業における効果的な取組や校内研修の進め方を例示しました。


    各学校の情報交換

     最後に、参加者で小グループを作り情報を交換しました。「『読む力』を育む学校の本年度の取組」をテーマに行いました。

    紹介された取組

    ・音読などを大切にする。(例えば、朝、視写・聴写・音読をモジュールで取り組む。)

    ・共書き(内容を読みあげ黒板とノートに共に書くこと)を全学年・全学級で継続する。

    ・3年生以上は、そばに辞典をおき、ことばを調べさせる。意味を考えて理解できるようにする。

    ・読書:委員会の児童が20分休みに本の貸し出しをする。本の表紙の裏に子どもが昨年度書いた紹介文を添付してある。読書旬間を設定し地域の方が読み聞かせをする。司書が放送で本の紹介・読み聞かせをする。学校図書館はもちろん、市立図書館を有効活用する。

    ・教科ごとに「正しく読む力」「深く読む力」の具体を示して実践する。

    ・事前に教科書を読み込む。

    ・RSTから課題を捉え授業に生かす。  など 

    参加者の声

    ・「読む力」の育成に取り組む南魚沼市の考え方がよく分かった。

    ・他校の取組について知ることができ、とても良い研修となった。

    ・学んだことを自校職員に還元し、全校体制で読む力の育成に努めていきたい。  など



    • 学力向上推進研修R7①
    • 学力向上推進研修R7①
    • 学力向上推進研修R7①

    学力向上推進研修R7①

    学力向上推進研修R7①

    学力向上推進研修R7①

  • センターだより・文献目録掲載のお知らせ

    公開日
    2025/04/24
    更新日
    2025/04/23

    お知らせ

    画像はありません

    配布文書のページにセンターだよりと理センだよりの第1号(令和7年4月号)を掲載しました。また、文献目録令和6年度追加分も掲載しました。

  • 研修講座掲載のお知らせ

    公開日
    2025/04/18
    更新日
    2025/04/18

    お知らせ

    画像はありません

    研修講座カレンダーのページに令和7年度の研修講座を掲載しました。一覧表は配布文書に令和7年度 研修講座一覧を掲載中です。

  • 「令和6年度 第2回 学力向上推進研修」(2025.2.6)

    公開日
    2025/02/06
    更新日
    2025/02/06

    「読む力」の育成

     南魚沼市が学力向上に向けて「読む力」を育む取組を始めて約2年間が経ちました。実証研究校から、教師の見取りや子供の自己評価、RSTなどに基づいて実践報告がされました。参加者の意見や情報の交換も活発に行われ、充実した会となりました。




     2月4日(火)、令和6年度 第2回 学力向上推進研修が行われました。各学校の研究主任が参加しました。始めに、岡村センター長(教育長)からビデオメッセージとして、「『読む力』は、学力向上のためだけでなく、生涯仕事や生活をしていく上で必要な力であるため、義務教育段階で指導することは意義深い」といったお話がありました。


     続いて、実証研究校3校による実践発表を聞きました。


     北辰小学校からは、様々な教科で「読む力」を意識した指導案作りと授業公開が増えたこと、「視写」「音読」「共書き」「線引き」など「正しく読む」ための取組が浸透してきたことなどが報告されました。


     六日町小学校からは、各学年・学級の取組を通して、子供は分からない言葉を進んで質問したり辞書で調べたりするようになったこと、問題や文章をよく読み課題解決に向けてあきらめずに取り組むようになってきたことなどが報告されました。


     六日町中学校からは、各教科のNRTの結果分析が「読む力」と関連付けて行われるようになったこと、NRT及びRSTの分析結果に基づいて、各教科で取組を工夫するようになってきたことなどが報告されました。


     最後に、学習指導センターが「これまでの取組や研修等から見えてきたこと」と「次年度の取組の方向性」についてお話しました。


    これまでの取組や研修等から見えてきたこと

     ・「読む力」は、書く力・話す力・聞く力などと関連して育まれる。

     ・「読む力」は、「文を読む力」だけではない。

     ・どの教科の学習にも、「正しく読む」場面と「深く読む」場面がある。

     ・「読む力」には、「様々な教科に共通するもの」がある。

     ・各教科の知識は、「読む力」とともに育まれる。

     ・「読む力」を育むための取組には、様々なものがある。

     ・RSTは、実態把握に必要な客観的資料である。


    次年度の取組の方向性

     ・RSTで自校の実態把握。

     ・「読む力」を育む取組を入れた授業実践。

     ・ロイロノートやオクリンクを活用した深く読むための共有・交流。

     ・各教科の知識・技能の定着を図るための家庭学習の充実。


     今回の研修が大変充実したものになったのは、実証研究校をはじめ、各校が「読む力」を育むためにいろいろと取り組んでいただいたおかげです。ありがとうございました。


     今後もご協力をお願いします。


  • 情報モラル教育からデジタル・シティズンシップ教育へ ~2024.11.29 県生涯学習推進センターの研修より~

    公開日
    2024/12/03
    更新日
    2024/12/06

    ICT・情報モラル教育

     11月29日(金)、オンラインにて新潟県立生涯学習推進センター主催の「デジタル・シティズンシップ研修会」に、当センター指導主事が発表者として参加しました。これまでセンターで実施した2回の「情報モラル教育研修」の内容について発表しました。その後の研修では、講師の一般財団法人インターネット協会主任研究員である大久保真紀様から、「デジタル・シティズンシップ教育」「デジタルウェルビーイング」についてのお話しをお聞きしました。お話の内容を、キーワードと共に紹介します。


    次々と生まれる新しいサービスや流行

    note:文章や画像、音声、動画を投稿して、ユーザーがそのコンテンツを楽しんで応援できるメディアプラットフォーム。大きな特徴は、自分の作ったマガジン(自分や他人の掲載されているトーク、テキスト、サウンド、イメージ、ムービーをまとめたもの)を「無料」もしくは「有料」で配信することができる。
    BeReal:写真を共有するアプリで、アプリからの通知を受けてから2分以内に写真や動画を投稿する仕組み。「盛らないSNS」として人気。
    ディスコ:動画を見ながらインスタントメッセージ(コミュニケーションサービス・チャットアプリ)・ビデオ通話・音声通話が可能なアプリであるDiscordの略。主にゲーム配信、ゲーム中のコミュニケーションで活用されている。


    言葉の意味、わかりますか

    グルーミング(チャイルドグルーミング):子どもからの信頼を得て、その罪悪感や羞恥心を利用する性的手なづけ。SNSで言葉巧みにわいせつ画像等を送らせるなど。

    闇バイトに関する隠語・用語

    ・たたき:強盗や窃盗のこと。

    ・UD:受け子(U)と出し子(D)のこと。

    ・手押し:対面で直接薬物を売る、運ぶこと。

    ・野菜:大麻のこと。葉っぱ、草という言い方もある。他にもアイス(覚醒剤)、AK、×、罰(MDMA)などがある。


     保護者が子どものスマホにこれら単語を見つけても、意味がわからなければ子どもは危険。


    CEROのゲームレーティングマークや映画倫理機構(映倫)の区分

    A(全年齢対象):マインクラフト、集まれどうぶつの森など

    B(12才以上):スーパーマリオオデッセイ(マリオシリーズはほとんどがAでBは数本)など

    C(15才以上):フォートナイト、モンスターハンターなど

    D(17才以上):APEXなど


     多くの小中学生がプレーしているフォートナイトやモンスターハンターは15才以上が対象のゲーム。映倫の区分も含め、親として注意を払う。

     SNSの年齢制限(オーストラリアでの16歳未満禁止法)、女性教諭中傷動画投稿の疑いで中3と中1男子を逮捕(名誉毀損)、修学旅行で男子中学生が入浴中の女子生徒を盗撮し警察が捜査、と様々なネット関連のニュースが流れている。保護者が関心をもち、ある程度の知識を身に付けていなければ、子どもに話はできない。まずは「知ること」が大切。


    お家の方の「責任」

    ペアレンタルコントロール

    ・フィルタリングで有害情報等からの危機回避、年齢に応じたコンテンツでリテラシーを体得、使いすぎや依存の防止。

    ・端末は親の所有物、いつでも見る、いつでも取り上げると宣言しておく。

    ・ゲームや動画視聴以外にも、楽しいことがたくさんあることを子どもに認識させる(五感を使い、人と関わり、親子で体験する、楽しむ)。


    保護者の「デジタル・シティズンシップ教育」

    デジタルウェルビーイング(機器やテクノロジーを適切に使用して心身共に健康であること)を目指して。

    ・リアルでもネットでも、子どもには「命を大切にしてほしい」「節度をもって人と接してほしい」という親の願い。

    ・スマホ、ネットは「道具」。楽しい時間を過ごすため、生活を豊かにするため、自分の夢や願いをかなえるためという「目的」のために使うもの。

    ・物事もネットも表裏一体、光(利便性)もあれば闇(危険性)もある。ネットやゲーム、SNS自体が悪いのではない、そこに悪い人が紛れ込んでいる。

    ・「親が自分よりスマホを大事にしていると感じることがある」と回答した子どもが2割。子どもは親の映し鏡、まずは大人のスマホ利用を見直す。


     学校ではよく、スマホ等の所持については「お家の判断で」と言います。だからといって、「デジタル・シティズンシップ教育」を行わなくてもよいとはなりません。学習指導要領では「情報モラル」を「情報社会で適正な活動を行うための基となる考え方と態度」と示しています。また、教育の情報化に関する手引では「他者への影響を考え、人権、知的財産等の自他の権利を尊重し、情報社会での行動に責任を持つことや、危機回避など情報を正しく安全に利用できること、コンピュータなどの情報機器の使用による健康とのかかわりを理解することなど」と示しています。内閣府からは、「次期指導要領では、デジタル・シティズンシップ教育を各教科で推進する」「ICT機器の具体的な操作に関しての心構えとして、端末を活用しながら身に付けていく」という声が聞かれます。


     南魚沼市でもようやく教育活動におけるICT活用が浸透してきました。子どもたちが適切にICTを活用できるよう、今後は、端末を1つの筆記用具として、子ども自身が取捨選択しながら活用できる学習の構想、学校を離れても安全にネットを活用できる「心構え」を身に付ける教育が求められます。そのため、先生方にはまず「デジタル・シティズンシップ教育」に注目していただければと思います。


  • 「読む力」育成に向けた授業づくり研修(国語) ~六日町小学校4年~(2024.11.28)

    公開日
    2024/12/03
    更新日
    2024/12/16

    「読む力」の育成

     南魚沼市学習指導センターでは、市内の学校の先生方と共に「読む力」を育むための取り組み方について研修を行っています。実証研究校の協力のもと、授業公開と協議会からなる研修講座を開講しています。11月28日(木)に六日町小学校で研修が行われました。


    

    公開授業

     授業は、4年生の国語『ごんぎつね』の学習でした。本時は、「三」の場面の登場人物「ごん」の気持ちの変化を想像することをねらった授業でした。


    「正しく読む力」を育むために

    ①「つぐない」の辞書的な意味を捉える

     導入では、今日の学習のキーワードとなる「つぐない」の辞書的な意味を全体で共有しました。「過ち、罪を品物などで埋め合わせる」と板書しました。

    ②「つぐない」の行動に線を引く

     その後、デジタル教科書の朗読コンテンツを活用し、「つぐないの行動が出てきたら線を引きましょう」と指示して「三」の場面の範読を聞かせました。

    

    「深く読む力」を育むために

     「ごんの気持ちの変化」を読むために、教師は次のように働き掛けました。

    ①行動の変化を捉える

     ごんの「つぐない」の行動は、渡すもの(いわし→くり→くりと松たけ)、渡すものの採取の仕方(盗む→拾う)、渡し方(投げこむ→置く)が変化していきます。これらの行動の変化を捉えることが、気持ちの変化を捉えることにつながると考え、行動の変化を全体で確認しました。

    ②叙述を根拠にする

     ごんの気持ちを想像するためには、叙述を根拠にすることが大切だと考え、ごんの気持ちだけでなく、その根拠となる叙述をワークシートに記述させました。


    研究協議会

     先生方が、本時は何が「正しく読むこと」で何が「深く読むこと」にあたるのかを理解しているため、どうやったらさらに「正しく・深く読ませることができるか」という方法に焦点を当てて活発な議論が行われていました。そして、今後に向けて、次のことを共有しました。

    ・ごんの気持ちを想像する(「深く読む」)ためには、まず一つ一つの行動を丁寧に捉える(「正しく読む」)ことが大切である。

    ・ごんの気持ちを想像する(「深く読む」)ときは、根拠を挙げて理由を説明させることが重要である。

    ・「文学的な教材」の読む力を育むためには、この教材で何を指導すべきかを明確にする必要がある。

     『ごんぎつね』では、複数の場面の叙述を結び付けて、登場人物の気持ちの変化を想像する読み方を経験させたい。ここでの経験を、自分で新たな物語文を読むときに、また自分が書くときに生かすことができるようにする。


  • 数学の授業における読む力育成の取組 ~大和中学校1年~(2024.10.21)

    公開日
    2024/11/07
    更新日
    2024/11/07

    「読む力」の育成

    公開授業

     授業は、1年生の「比例と反比例」でした。本時は、水そうに水を注ぐ事象や水を抜く事象を観察し、いずれも「水位は時間に比例するか」を考え、比例の知識を広げ深める学習でした。

     水を抜くと時間が経てば水位は減る…これって比例?反比例?

     本時の中心課題は、次のようなxが増えるときyが減るような事象であっても比例なのかを調べて考えるものでした。子供の予想は、比例と反比例で分かれました。




    正しく読む力」を育むために
     この問題を「正しく読む」ために、「わかること」などをあげ、データを表に整理する活動を行いました。

    [わかること]
     ・xの値が増えるとyの値は減る
     ・前の問題と同じで、5分前から5分後までだから、変域は-5≦x≦5



     この問題を解決するために、根拠を明らかにして比例かどうかを判断する活動を行いました(「深く読む」)。子供は、自分の考えを書いたら写真にしてロイロノート提出箱に送り、他の考えを見ながら検討しました。そして、「最初は反比例だと思っていたけれど、xの値が2倍、3倍、…になると、yの値も2倍、3倍、…になっているから比例だ」と考えるようになりました。こうして、xが増えるとyが減る場合であっても、比例になる場合があることを、既習の倍の見方と関連付けて理解しました。

    研究協議会
     本時は、子供の誤った理解を顕わにし、その修正を図りながら知識を発展させる授業の一つのモデルを示していただきました。その授業をよく見ると、教師が子供に働き掛けていたことが、「読む力」育成の取組としても重要な意味をもつことを共有しました。今後、比例の理解を深めていく上で大切なこととして、次のことを共有しました。

     ・なぜ関数の式はy=(xの式)という形で表すのかをとらえること(関数の意味)
     ・なぜ比例を式で定義し直すのかをとらえること(必要性)
     ・定義を基に比例の事象を判断すること(弁別)
     ・定義を基に比例の事象をつくること(具体例づくり) など

  • 「読む力」育成に向けた授業づくり研修(算数) ~北辰小学校3年~(2024.9.25)

    公開日
    2024/10/02
    更新日
    2024/10/03

    「読む力」の育成



    南魚沼市学習指導センターでは、市内の学校の先生方と共に「読む力」を育むための具体的な取組について研修を行っています。実証研究校の協力のもと、授業公開と協議会からなる研修講座を開講しています。9月20日(金)に初回の研修が北辰小学校で行われました。


    導入のおもしろさで「わくわく感」を演出(公開授業)
     授業は、3年生の算数「円と球」でした。本時は、5つの円がきまりよく交わっている図について、各円の中心の位置と半径を読み取り、その図を作図する学習でした。単元をとおして「マールさんからの挑戦状」が届き、全ての挑戦をクリアすると「宝の場所」がわかるという、遊び心いっぱいのわくわくするような授業構成で、本時も「マ-ルさんからこんな挑戦状が届いた」という話から始まりました。

    【問題】 この図と同じ図をかきましょう。



    

    「正しく読む力」を育むために

     この問題を「正しく読む」ために、「わかっていること」と「もとめること」を分けてとらえる活動を行いました。教師は子供と対話しながら、子供の発言を整理しました。

    [わかっていること]  ・円が5つある  ・1つの円の中にもう1つの円が入っている  ・円がきれいにならんでいる
    [もとめること]    ・この図と同じ図をかく

    この問題(の解決方法)について「深く読む」ために、教師は次のように働き掛けました。


    ①わかる必要があることを問う(解決方法の見通しをもつため)

    子供は「半径や直径が必要だ」と発言し、教師は「半径の長さは与えられていないが5つの円の端から端は30㎝だ」と条件を与えると、子供から半径の長さを計算で求める考えが示されました。教師はその考えを検討できるように、中心線の補助線を引き、みんなで円の半径はどこにあるか共有しました。そして、半径の長さを計算で求めて作図する活動に入りました。

     【補助線を引いた問題の図】            【ワークシート】

     ②仲間と相談したりヒントカードを使って考えたりすることができるようにする(子供が自ら学習を調整できるようにするため)

     これにより、どの子供も粘り強く問題に取り組むことができました。


    ICTを活用して効率化(研究協議会)
     オクリンクプラスの共同編集機能を使ってグループ協議が活発に行われました。そして、今後に向けて、次のようなことが共有されました。

    ・子供がこの問題(の解決方法)について深く読む上で、実態に応じて、半径の長さの求め方を考える段階と、作図の仕方を考える段階に分ける必要がある。
    ・作図の際は、自らかいた図を問題の図と照らし合わせて、図を正しく読み直すことが重要である。
    学習を振り返り、円がきれいにならんでいる」ことを、円の中心の位置や半径にパターンがあることと結び付けてとらえ直すことは、深く読む機会となる。



  • 令和6年度 市内教員全体研修・教育講演 ~RSの視点で教科書を解像度高く読む~(2024.8.20)

    公開日
    2024/08/27
    更新日
    2024/08/27

    「読む力」の育成



     8月20日(火)、令和6年度 市内教員全体研修として教育講演が行われました。今年度も一般社団法人「教育のための科学研究所」より、上席研究員の目黒朋子様をお迎えしました。市内の学校より350名程の多くの先生方が参加しました。演題のRSとはリーディングスキルの略称で、読解力の視点から、いかに教材研究を行い、日ごろの授業や家庭学習の指導を行うかについてお話をいただきました。



     5年生の社会科教科書の雨温図を読み解く活動を通して、教科書を解像度高く読むために、教師はどのような働き掛けをする必要があるかご指導いただきました。


    例えば・・・

     ・聞いて理解する力を高めるために、「共書き」を行う(教師が読み上げ、子供がそれを聞いて書き、正しく書けているか確認する。)

     ・係り受けの知識を身に付けるために、文章で答えさせる

     ・定型表現を身に付けるために、理由を問うたら、「~だから」という文末表現を指導することや、正しい形容詞を選ぶ指導をする

     ・語彙を増やすために、漢字に直すことや、意味を辞書で調べること、対義語を確認することなどを行う

     ・グラフや表などから分かることを複数挙げて言語化する(言語化していくと、子供が自ら箇条書きで要約することが行いやすくなる。)

      など

       

     参加者からは「『単語で答えさせず文章で答えさせる』など、読む力を育成するために普段から必要なことを知り、大変勉強になった。」「『共書き』を初めて体験し、子どもたちの気持ちが分かった。実践したい。」「グラフを読み解く中で、様々な教科の既習内容と結び付けて考えることが大切であると分かった。教材研究で教科書を深く読み取っていきたい。」といった前向きな声が多く聞かれ、大変充実しました。


     南魚沼市では昨年度より学力向上策の1つとして、「子供たちに正しく読んで、正しく理解できるようになってほしい」という願いのもと「読む力」育成の取組を進めています。学力向上だけでなく、子供たちが将来、社会で生きていく上で必要な力を培うという意味からも、各学校と連携し、「読む力」育成に向けた取組の充実を図ります。


  • 小学校外国語科(国際科)における「読む力」の育成(2024.7.16)

    公開日
    2024/07/16
    更新日
    2024/08/27

    「読む力」の育成

     7月11日(木)、城内小学校にて「授業力向上研修(小学校編)」が行われました。英語専科教員による5年生と6年生の2つの外国語科(国際科)の授業が公開されました。小学校外国語科では、聞いて十分に慣れ親しんで(インプット)から話すこと(アウトプット)という流れが重視されています。外国語科における「読む力」を「話された内容や意味を理解すること」ととらえ、子供が内容を正しく、深く聞き取れるよう、公開授業では「発問」と「指示」に工夫が見られました。



    【5限】5年生ONE WORLD Smile 5 Lesson 3「I have P.E. on Monday.」(6/8時間目)で育む「深く読む力」


    発問:英文を聞いて、3人の夢の時間割を完成させよう。完成した時間割と夢の授業を線で結ぼう。

    指示:(3問目の英語を聞く前に)どんな英語が聞こえてくるか想像して聞き、ペアで確認しよう。


     授業の終末、計3問のListening問題に取り組みました。2問目まで解答すると、3問目は英語を聞かずとも、消去法で自動的に解答が決まります。賢い子はそれに気づき、英語を聞かずに解答するかもしれません。そうならないよう、英語を聞く前に出てくる英語を予想させました。こうすることで、子供たちは自分の予想が正しいか検証するため、集中してListeningに取り組みました。既知の情報から、新たな情報を予想することは「深く読む力」を育みます。



    【6限】6年生ONE WORLD Smile 6 Lesson 3「Welcome to Japan.」(6/7時間目)で育む「正しく読む力」


    発問:「日本のすてき」について、相手に上手く伝わるように、自分なりの工夫点を考え発表しよう。

    指示:出てきた工夫点を参考に、自分なりに1つ工夫してペアの相手に伝えましょう。

       ペアの相手のどんなところがよかったか、どんな工夫をしたかに注目して聞きましょう


     メイン活動として、ペアで本番に向けての発表練習(発表の練り上げの活動)に取り組みました。ペアを変えて数回発表する中で、英語面での中間指導をした後、子供たちから言語面(情報の追加等)や態度面(声の大きさやトーン、表情等)といった工夫点が挙げられ、全体で共有しました。その後のペアでの発表練習の際に、上の指示が出されました。ただ漠然と英語を聞くのではなく、聞き手が話し手の英語を聞く前に具体的な「聞く視点」を示すことで、子供たちは集中して話し手の発表を聞いていました。「聞く視点」をもって英語を聞くことは「正しく読む力」を育みます。




     2つの授業とも、「帯活動」(表現の定着のために毎回の授業で行われるドリル活動)、「インタラクション」(教えない、問いかけ、共有する指導)、「中間指導」(説明や教える前にまず活動させ、できない、わからないという「困り感」「必要感」をもった後の指導)、ICT活用(デジタル教科書、電子黒板、学習端末の活用)と安定感のある素晴らしい授業でした。子供たちが意欲的に学習に取り組む姿から、普段からしっかりとした授業が行われていることがうかがえ、参観者は多くの示唆を得ることができました。

     

     小学校の外国語活動や外国語科の授業では、「聞くこと」が中心です。聞く活動の中にも、子供たちが意味や内容を正しく、深く読み取る必要がある場面は多くあります。授業者のちょっとした工夫と日々の積み重ねで、子供たちの「読む力」は着実に育まれ、学力向上につながります。各教科で確実に子供たちの「読む力」を高めていただきたいと思います。


  • ICT活用が実現する、「ワクワクとニコニコがあふれる学び」(2024.7.10)

    公開日
    2024/07/10
    更新日
    2024/08/26

    ICT・情報モラル教育

     令和6年1月に中越教育事務所より発行された「授業づくりリーフレット2024」では、学習指導と生徒指導の一体的充実による、「ワクワクとニコニコがあふれる学び」による授業づくりの推進が提案されており、ICT活用は大きな鍵であるとされています。五十沢小学校6年生の国際科(外国語科)の授業では、ICTを効果的に活用し、「ワクワクとニコニコがあふれる授業」が行われていました。



     7月5日(金)、五十沢小学校で6年生の国際科(外国語科)の授業を参観しました。授業では、効果的にICTが活用され、子供たちの「ワクワク」が高まっていました。また、仲間と共に協力し対話しながらタスクに取り組み自己理解や自己効力感が生まれた子供たちの顔には、多くの「ニコニコ」が見られました。


    ICTを活用した資料提示市の国際交流員、商工観光課

     外国語の授業で大切な「英語を話す必然性」を生み出し、子供の興味関心を高めることができるよう、市の商工観光課にお勤めのネイティブの方からビデオレターをいただき、子供たちに「課題」が示されました。本人から、「日本を離れる自分のために、日本の思い出として、南魚沼や日本の名所や文化について教えてほしい」という課題が英語で伝えられました。英語自体は難しいものでしたが、子供たち協力しながら既習事項や話し手の身振り手振り、表情からタスクの内容を聞き取っていました。ICTを活用し、架空の話ではない「リアル」に触れることで、子供たちの「ワクワク」が高まっていくのを感じました。


    動画撮影

     表現について復習した後、ペアで発表練習として動画の撮影が行われました。思いが伝わり、相手の記憶に残るよう、それぞれがジェスチャーなどを工夫して撮影しました。撮影後には、ペアで「よかったよ」「上手」といった賞賛の言葉はもちろん、「ここをもう少しこうした方がよい」「(身体の動きがあるので)全身が写るように撮影してほしい」など、おたがいの発表がさらによいものとなるよう、アドバイスを送り合う姿も見られました。ICTを活用しての動画作成という手段から、子供たちが協力し、おたがいを認め合い、更によいものを追い求めて、「ニコニコ」と学ぶ姿が見られました。


     授業を参観して、子供たちのコミュニケーション力が非常に高く、最小限の教師の指示で、子供たちが主体的に活動している姿が大変印象的でした。この姿は一朝一夕で身につくものではありません。教師が普段から英語での発表活動を仕掛け、子供たちに着実に英語で話す経験を積ませてきたことがうかがえます。


     外国語の授業では「子供たちにいかに英語を聞かせるか(インプット)」「子供たちに英語を話させるか(アウトプット)」が重要です。デジタル教科書や動画等を活用し、子供たちにしっかりとインプットを行い、動画撮影や自らの発表の資料や補助として効果的にICTを活用し、子供たちにしっかりとアウトプットさせることで、子供たちの英語力は育まれます。「ワクワクとニコニコがあふれる学び」を実現できるよう、更にICTの活用を推進しましょう。