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「読む力」育成に向けた授業づくり研修(国語) ~六日町小学校4年~(2024.11.28)

公開日
2024/12/03
更新日
2024/12/16

「読む力」の育成

 南魚沼市学習指導センターでは、市内の学校の先生方と共に「読む力」を育むための取り組み方について研修を行っています。実証研究校の協力のもと、授業公開と協議会からなる研修講座を開講しています。11月28日(木)に六日町小学校で研修が行われました。




公開授業

 授業は、4年生の国語『ごんぎつね』の学習でした。本時は、「三」の場面の登場人物「ごん」の気持ちの変化を想像することをねらった授業でした。


「正しく読む力」を育むために

①「つぐない」の辞書的な意味を捉える

 導入では、今日の学習のキーワードとなる「つぐない」の辞書的な意味を全体で共有しました。「過ち、罪を品物などで埋め合わせる」と板書しました。

②「つぐない」の行動に線を引く

 その後、デジタル教科書の朗読コンテンツを活用し、「つぐないの行動が出てきたら線を引きましょう」と指示して「三」の場面の範読を聞かせました。



「深く読む力」を育むために

 「ごんの気持ちの変化」を読むために、教師は次のように働き掛けました。

①行動の変化を捉える

 ごんの「つぐない」の行動は、渡すもの(いわし→くり→くりと松たけ)、渡すものの採取の仕方(盗む→拾う)、渡し方(投げこむ→置く)が変化していきます。これらの行動の変化を捉えることが、気持ちの変化を捉えることにつながると考え、行動の変化を全体で確認しました。

②叙述を根拠にする

 ごんの気持ちを想像するためには、叙述を根拠にすることが大切だと考え、ごんの気持ちだけでなく、その根拠となる叙述をワークシートに記述させました。


研究協議会

 先生方が、本時は何が「正しく読むこと」で何が「深く読むこと」にあたるのかを理解しているため、どうやったらさらに「正しく・深く読ませることができるか」という方法に焦点を当てて活発な議論が行われていました。そして、今後に向けて、次のことを共有しました。

・ごんの気持ちを想像する(「深く読む」)ためには、まず一つ一つの行動を丁寧に捉える(「正しく読む」)ことが大切である。

・ごんの気持ちを想像する(「深く読む」)ときは、根拠を挙げて理由を説明させることが重要である。

・「文学的な教材」の読む力を育むためには、この教材で何を指導すべきかを明確にする必要がある。

 『ごんぎつね』では、複数の場面の叙述を結び付けて、登場人物の気持ちの変化を想像する読み方を経験させたい。ここでの経験を、自分で新たな物語文を読むときに、また自分が書くときに生かすことができるようにする。