南魚沼市学習指導センターでは、市内の学校の先生方と共に「読む力」を育むための具体的な取組について研修を行っています。実証研究校の協力のもと、授業公開と協議会からなる研修講座を開講しています。9月20日(金)に初回の研修が北辰小学校で行われました。
導入のおもしろさで「わくわく感」を演出(公開授業)
授業は、3年生の算数「円と球」でした。本時は、5つの円がきまりよく交わっている図について、各円の中心の位置と半径を読み取り、その図を作図する学習でした。単元をとおして「マールさんからの挑戦状」が届き、全ての挑戦をクリアすると「宝の場所」がわかるという、遊び心いっぱいのわくわくするような授業構成で、本時も「マ-ルさんからこんな挑戦状が届いた」という話から始まりました。
【問題】 この図と同じ図をかきましょう。 
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「正しく読む力」を育むために
この問題を「正しく読む」ために、「わかっていること」と「もとめること」を分けてとらえる活動を行いました。教師は子供と対話しながら、子供の発言を整理しました。
[わかっていること] ・円が5つある ・1つの円の中にもう1つの円が入っている ・円がきれいにならんでいる [もとめること] ・この図と同じ図をかく |
この問題(の解決方法)について「深く読む」ために、教師は次のように働き掛けました。
①わかる必要があることを問う(解決方法の見通しをもつため)
子供は「半径や直径が必要だ」と発言し、教師は「半径の長さは与えられていないが5つの円の端から端は30㎝だ」と条件を与えると、子供から半径の長さを計算で求める考えが示されました。教師はその考えを検討できるように、中心線の補助線を引き、みんなで円の半径はどこにあるか共有しました。そして、半径の長さを計算で求めて作図する活動に入りました。
【補助線を引いた問題の図】 【ワークシート】  
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②仲間と相談したりヒントカードを使って考えたりすることができるようにする(子供が自ら学習を調整できるようにするため) これにより、どの子供も粘り強く問題に取り組むことができました。
ICTを活用して効率化(研究協議会)
オクリンクプラスの共同編集機能を使ってグループ協議が活発に行われました。そして、今後に向けて、次のようなことが共有されました。
・子供がこの問題(の解決方法)について深く読む上で、実態に応じて、半径の長さの求め方を考える段階と、作図の仕方を考える段階に分ける必要がある。 ・作図の際は、自らかいた図を問題の図と照らし合わせて、図を正しく読み直すことが重要である。
・学習を振り返り、「円がきれいにならんでいる」ことを、円の中心の位置や半径にパターンがあることと結び付けてとらえ直すことは、深く読む機会となる。