シンプルな手立ての継続が育む「読む力」 〜読む力育成に向けた授業づくり研修(小学校国語)〜(2023.11.30)
- 公開日
- 2023/11/30
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
授業の中で、「指でなぞりながら音読する」場面がありました。冒頭は先生が指示をしていましたが、途中の音読では指示をしなくても子供は指でなぞりながら音読していました。目だけではどこを読んでいるのか追えない子供が、しっかりと音読することができます。指でなぞることで、子供は一字一句正確に読もうとします。音読が動作と結びつくことで子供の思考が促進され、内容の理解が進みます。普段から継続して実践することで、習慣化し、より効果が高まります。
11月30日(木)、実証研究校である六日町小学校にて読む力育成に向けた授業づくり研修が行われました。公開された小学校1年生の国語の授業では「おとうとねずみチロ」の単元で「おばあちゃんに呼びかける場面の叙述をもとにチロの様子や気持ちを想像して、音読の仕方を考える」をねらいとした授業が公開されました。
冒頭、子供たちは教科書の文章を音読しました。その際、子供たちは指で文章をなぞりながら音読していました。その後、本時の内容を「誰が」「何を」「どのようなことを言ったのか」を確認し、それぞれの場面でのセリフにはどのような感情が込められており、どのように読んだらよいのかについて、ワークシートに記述しました。授業の終末、子供たちは前に出て、感情が表現できるよう工夫を凝らして実際のセリフを音読しました。子供たちは物語に親しみながら、楽しく学習していました。
授業は大変ていねいに進められました。「指でなぞりながら音読する」「5W1Hを確認する」「ワークシートの教科書の文章のコピーに線を引く」など、随所に「読む力」を高める工夫や手立てが織り交ぜられており、子供たちの「読む力」を育もうという教師の姿勢が現れていました。「指でなぞりながら音読する」「5W1Hを確認する」といった手立ては、普段から継続して実践されていることがうかがわれ、子供たちは指示がなくても指でなぞりながら音読したり、5W1Hを想定しながら読んだりする姿が見られました。
「読む力」を高めるというと、何か特別な、大きな手立てを講じなければならないと先生方は身構えてしまうかもしれません。しかし、些細な手立てを組み合わせることにより大きな手立てとなります。そして、手立てを継続することで子供たちの「読む力」は着実に育まれます。また、「読む力」を1つの視点に授業を組み立てることで、教師の授業改善が進み、子供たちの学力向上につながります。来年度は、いよいよ全ての学校で「読む力」の育成が実践の年を迎えます。先生方が一丸となって、それぞれの読む力育成の取組を進め、子供たちの学力向上を図りましょう。
今回、南魚沼市学習指導センターの研修講座に際し、素晴らしい学びの姿を見せてくれた六日町小学校の子供たちとご協力いただいた先生方に感謝申し上げます。ありがとうございました。
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