公開授業
授業は、1年生の「比例と反比例」でした。本時は、水そうに水を注ぐ事象や水を抜く事象を観察し、いずれも「水位は時間に比例するか」を考え、比例の知識を広げ深める学習でした。
水を抜くと時間が経てば水位は減る…これって比例?反比例?
本時の中心課題は、次のようなxが増えるときyが減るような事象であっても比例なのかを調べて考えるものでした。子供の予想は、比例と反比例で分かれました。

正しく読む力」を育むために
この問題を「正しく読む」ために、「わかること」などをあげ、データを表に整理する活動を行いました。
[わかること]
・xの値が増えるとyの値は減る
・前の問題と同じで、5分前から5分後までだから、変域は-5≦x≦5
この問題を解決するために、根拠を明らかにして比例かどうかを判断する活動を行いました(「深く読む」)。子供は、自分の考えを書いたら写真にしてロイロノート提出箱に送り、他の考えを見ながら検討しました。そして、「最初は反比例だと思っていたけれど、xの値が2倍、3倍、…になると、yの値も2倍、3倍、…になっているから比例だ」と考えるようになりました。こうして、xが増えるとyが減る場合であっても、比例になる場合があることを、既習の倍の見方と関連付けて理解しました。
研究協議会
本時は、子供の誤った理解を顕わにし、その修正を図りながら知識を発展させる授業の一つのモデルを示していただきました。その授業をよく見ると、教師が子供に働き掛けていたことが、「読む力」育成の取組としても重要な意味をもつことを共有しました。今後、比例の理解を深めていく上で大切なこととして、次のことを共有しました。
・なぜ関数の式はy=(xの式)という形で表すのかをとらえること(関数の意味)
・なぜ比例を式で定義し直すのかをとらえること(必要性)
・定義を基に比例の事象を判断すること(弁別)
・定義を基に比例の事象をつくること(具体例づくり) など