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教育講演会(示範授業)で学ぶ「ICT活用法」(2024.6.6)

公開日
2024/06/06
更新日
2024/08/26

ICT・情報モラル教育

 学習へのICT活用は、これまでの「とりあえず使う」から、「教育効果や学習の効率を考え、(子供たちも含め)取捨選択して使う 」へと移り変わっています。ICTの技術は日々進歩し、新しい技術やアプリが開発されています。我々教員は常に新しいICT技術に触れ、何を、どのように活用するのが、目の前にいる子供たちにとって教育効果が高いのかを考え、適切に取捨選択して活用する必要があります。示範授業でお教えいただいた、オンライン掲示板(Padlet)の活用は大変興味深く、大きな可能性を感じました。



 今年度の教育講演会は形を変え、管内の先生方の授業の参考となるよう、小学校の国語、算数、外国語科の示範授業を公開します。1回目として、6月4日(水)に北辰小学校にて、新潟大学附属新潟小学校より石塚正人先生をお招きし、小学校3年生の算数の示範授業が行われました。石塚先生がICTをどのように活用されていたかをご紹介します。


Webブラウザで使えるオンライン掲示板の使用

 授業の前に子供たちにQRコードを読み取らせ、掲示板アプリ「Padlet(パドレット)」にアクセスします。「たすけて〜!」と「ヒント♪」のシートを事前に作っておき、そのシートにコメントしたいときに入力させるます。授業中にリアルタイムで子供たちの意見を吸い上げます 。「 個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」という視点からも、有効な手立てであると感じました。


電子黒板+教師用端末(タブレット)による教材の提示と操作

 教師用端末から電子黒板に計算問題を表示します。数字が書いてある18枚のカードを用意し、「児童→教師→児童→教師→児童」の順に数字を選びます。その都度、子供と確認しながら実際にカードを操作します。選んだ数字を画面右側に動かすことで、子供たちと一緒に、その場で5つの数字を足す計算問題を作成し、表示できるというICTのよさを示してくださいました。わかりやすく提示することはもちろん、教材を操作して動かすことで、子供たちの興味関心も高まる手立てであると感じました。

 また、「これからの算数授業づくり-知識を身に付け、感覚を豊かに-」という演題の講演では、「算数×ICT」というトピックでもお話いただきました。「学習者用端末を『知識の保管庫』として考えると授業の中での活用の場が広がる」「教材・教具として問題提示場面でICTを活用するとよい」など、ICTの効果的な活用に向けて多くのご示唆をいただきました。


 

 令和6年度の県の「学校教育の重点」には、「ICT活用による個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」が示されています。また、令和6年3月に発出された県の「新潟県学校教育情報化推進行動計画」には、「本県の教員が授業中にICTを活用して指導する能力は全国平均並みであるものの、学校間や教員間で意識やスキルに差がみられることから、教員のICT活用指導力の更なる向上が必要」と示されています。不得意な先生方も多いかと思います。センターでは、これまで行われた「Googleクラスルーム基本研修」から「クラスルーム作成編」の動画をオンデマンドでの提供、また8月には、リニューアルされる「オクリンクプラス」の研修を計画しております。これらの研修等をご活用いただき、今後とも先生方には、さらにICTの活用を推進し、子供たちの学びの質を高めていただきたいと思います。今回、示範授業でご指導いただいた石塚正人先生には大変感謝申し上げます。ありがとうございました。