令和5年度 教育講演会 〜RSTの結果と南魚沼の「読解力」の分析〜(2023.8.7)
- 公開日
- 2023/08/07
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
8月7日(月)、令和5年度の教育講演会が行われました。今年度は読解力研究の第一人者である新井紀子先生が所長を務め、「読解力」を測定するRST(リーディングスキルテスト)を提供している一般社団法人「教育のための科学研究所」より、上席研究員の目黒朋子様をお迎えしました。市内の学校より、80名近くの多くの先生方が参加しました。講演会は「RST結果分析と読解力を育むための授業づくり」と題し、RSTを受検した市内の子供たちの結果から、南魚沼市の子供たちのおおよその傾向と、読解力を伸ばすための授業づくりや教師の心構えについてお話しをいただきました。
講演は冒頭の「一枚岩で読解力(読む力)を高めれば、学力は上がる」という力強いお言葉から、RS(リーディングスキル)についてのお話が始まりました。そして、南魚沼市のRSTの結果の分析について市の傾向として、特に文章を読む基本的な能力である「文の構造を正しく理解する能力」「代名詞が何を指しているかを正しく認識する能力」「与えられた2つの文が同義かどうかを正しく判定する能力(と、そのための語彙力や論理力)」が不足しており、かなり支援の必要がある子供が多いとの分析が示されました。
後半は様々な実例を交えて、我々教師自身が教科書を正しく読めていないことを体験しました。「教科書を正しく読むことが難しく、大変なことであることを子供も教師も共有しつつ共に成長する」ため、子供のつまづきや困難を予想し、適切に表現するなど、「教員が解像度を高くして読む」ことの重要性が語られました。
講演会をとおして、読解力研究の専門家である目黒先生からのお話は大変勉強になりました。
南魚沼市では本年度より学力向上策の1つとして、「子供たちに正しく読んで、正しく理解できるようになってほしい」という願いから、読解力の理論から着想を得て、「読む力」の育成についての取組を進めています。学習指導センターでは学力向上だけでなく、子供たちが将来、社会で生きていく上で必要な力を培うという意味からも、各学校と連携し、読む力育成に向けた取組の充実を図ります。