令和7年度 市内教員全体研修・教育講演 ~子どもたちのシン読解力を育む授業とは~(2025.8.20)
- 公開日
- 2025/08/22
- 更新日
- 2025/08/22
「読む力」の育成
8月20日(水)、令和7年度 教員全体研修として教育講演が行われました。今年度も一般社団法人「教育のための科学研究所」より、上席研究員の目黒朋子様をお迎えしました。市内の学校より330名程の多くの先生方が参加しました。「シン読解力」とは、教科書を読み解くために必要な読解力のことを指します。
授業内外での指導例を具体的に示していただきました。
シン読解力を育む授業(会津美里町立高田小学校の授業より)
◇10分予習
・教科書を読んで気になる部分や大切だと思う部分に線を引いたり、資料と対応す る本文の部分を矢印で結んだりする。
※低学年は3分復習・3分予習 (ランドセルに翌日の準備をする時に教科書を見る)
◇掲示物
・グラフの読み取り方 (タイトル、軸の内容と単位、変化、ちがい、など)
・助詞の穴埋め問題 (例.私□、おじいちゃん□てがみ□おくりました。) など
◇ICTの活用
・Google Classroomで教科書の読み方やWebニュースなどを閲覧できるようにする。
・電子黒板で、本時授業の流れや資料を提示する。
◇RSの視点を取り入れた活動
・教科書で根拠を共有する。
・音読して定義を確認する。
・課題を共書きする。 など
◇RSノートの活用
RSノート
・朝の帯時間などを利用して行う。
・授業の課題に集中して取り組むための基礎として、「自己管理能力」を高め、学習課題とは直接関係のない「認知負荷」を下げ、「学習言語」の意味や使い方に馴染むようにするために行う。
・教師が意図的に、教科書から既習の教材文を扱い、次のような活動を行う。
①目標設定 (1分で視写したい文字数の目標を各自が立てる)※目安「学年×10」
②頁を開く (教科書の指定された頁をすばやく開く)
③指さし確認 (指定された文章をすばやく見付ける)
④黙読 (自分は文章が読めるか、どんなことが書かれているかを大まかに捉える)
⑤一斉音読 (皆でことばのまとまりに注意して読んで文意を捉える)
⑥範読 (子供は聞きながら文章や言葉の読み方を確認して文意を捉える)
⑦視写 (1分間視写する)
⑧点検 (隣の人と交換して誤字をチェックする)
⑨評価 (正しく視写した文字数を計算して記録し目標と照らし合わせる)
⑩内容確認 (係り受けや照応などRSの視点からの発問に対し文章を基に答える)
・特に②③④⑤⑦は、授業の課題に関係なく学習に必要な作業であり、これらが自然にできると、課題に集中して取り組むことができるようになる。
・⑩は、教科書を正しく読み、教科の用語に慣れ親しむ上で重要な活動である。
以上のことを実践している小学校の実際の授業や児童の日常会話は、私たちにとってよい刺激となりました。この研修を踏まえ、各学校と共に「読む力」育成に向けた取組を継続するとともに、その質を上げていきましょう。