「読む力」育成に向けた授業づくり研修(国語)が行われました(2025.11.6)
- 公開日
- 2025/11/21
- 更新日
- 2025/11/21
「読む力」の育成
南魚沼市学習指導センターでは、市内の学校の先生方と共に「読む力」育成のための取り組み方について研修を行っています。11月6日(木)に六日町小学校で、授業づくり研修が行われました。
公開授業
授業は、小学校1年生 国語『いろいろなふね』の学習でした。
本時のねらいは、「フェリーボートの文章を正しい順番にする活動を通して、文章の内容や船の特徴を捉えることができる」でした。
「教材を並び替えて提示する」というしかけにより、「正しい順番に並び替えたい」という気持ちを引き出し、そのために着目すべき言葉や内容を仲間と協力しながら捉え、文章の構成が「やくめ」→「つくり」→「できること」になっていることをに気付くことを目指した授業でした。
「読む力」育成の手立て
授業の様々な場面で、「読む力」を育てるための工夫がなされていました。
1 ダウト読み【正しく読む】
導入では、文章を正しい順番に並び替える際に着目してほしい言葉を意図的に授業者が間違えるダウト読みを行いました。子供たちは、授業者の音読を集中して聞き、間違えに気付くと、大きな声で指摘していました。
2 大事な言葉に線を引く【深く読む】
「フェリーボート」の文章を一斉に音読した後、大事な言葉に線を引くように指示しました。子供たちは、自分で線を引いた箇所を根拠に、自分の考える正しい順番の妥当性を説明していました。
3 比較して読む【深く読む】
前時に学習した「きゃくせん」について書かれた文章を、拡大して教室に掲示しておきました。間違った順番に並んでいる「フェリーボート」の文章と比べ、共通点や相違点に子どもたち自身で気付くことができるようにしました。「きゃくせん」の文章の構成を捉え、それを理由に自分の考えを説明している子がいました。
4 仲間の発言や考えを言い換える【正しく読む】
「鏡会話」というネーミングをつけ、1人の子の発言を、全体やペアでもう一度説明し直したり、共有したりする機会をつくっていました。仲間の発言を何となく聞くのではなく、全員の学びとなるように、聞いたことをアウトプットする機会を意図的に設定していました。
参観者の声
・1年生児童が「ダウト読み」や音読で文章を『正しく読み』、前時の文章構成の掲示などを手掛かりに、大事なところに線を引きながら『深く読む』姿を見させてもらいました。直観から論理への橋渡しのための手立てとした「順番を変えた文章の掲示」によって、文章の型や書かれている内容に注目しながら読んでいく様子が見られ、とても参考になりました。
・説明文教材で「文章構成を学ぶ」という内容が、1年生でもできるのだなという学びがありました。「どう気付かせるか」というところは難しいところではありますが、本時の子供たちの様子は、たくさんの子供たちが直感的に構成を捉えていたように見て取れました。自分でも色々な方法を試し、文章構成をいかにつかませるか、実践を積みたいと思います。