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「令和6年度 第2回 学力向上推進研修」(2025.2.6)
- 公開日
- 2025/02/06
- 更新日
- 2025/02/06
「読む力」の育成
南魚沼市が学力向上に向けて「読む力」を育む取組を始めて約2年間が経ちました。実証研究校から、教師の見取りや子供の自己評価、RSTなどに基づいて実践報告がされました。参加者の意見や情報の交換も活発に行われ、充実した会となりました。
2月4日(火)、令和6年度 第2回 学力向上推進研修が行われました。各学校の研究主任が参加しました。始めに、岡村センター長(教育長)からビデオメッセージとして、「『読む力』は、学力向上のためだけでなく、生涯仕事や生活をしていく上で必要な力であるため、義務教育段階で指導することは意義深い」といったお話がありました。
続いて、実証研究校3校による実践発表を聞きました。
北辰小学校からは、様々な教科で「読む力」を意識した指導案作りと授業公開が増えたこと、「視写」「音読」「共書き」「線引き」など「正しく読む」ための取組が浸透してきたことなどが報告されました。
六日町小学校からは、各学年・学級の取組を通して、子供は分からない言葉を進んで質問したり辞書で調べたりするようになったこと、問題や文章をよく読み課題解決に向けてあきらめずに取り組むようになってきたことなどが報告されました。
六日町中学校からは、各教科のNRTの結果分析が「読む力」と関連付けて行われるようになったこと、NRT及びRSTの分析結果に基づいて、各教科で取組を工夫するようになってきたことなどが報告されました。
最後に、学習指導センターが「これまでの取組や研修等から見えてきたこと」と「次年度の取組の方向性」についてお話しました。
これまでの取組や研修等から見えてきたこと
・「読む力」は、書く力・話す力・聞く力などと関連して育まれる。
・「読む力」は、「文を読む力」だけではない。
・どの教科の学習にも、「正しく読む」場面と「深く読む」場面がある。
・「読む力」には、「様々な教科に共通するもの」がある。
・各教科の知識は、「読む力」とともに育まれる。
・「読む力」を育むための取組には、様々なものがある。
・RSTは、実態把握に必要な客観的資料である。
次年度の取組の方向性
・RSTで自校の実態把握。
・「読む力」を育む取組を入れた授業実践。
・ロイロノートやオクリンクを活用した深く読むための共有・交流。
・各教科の知識・技能の定着を図るための家庭学習の充実。
今回の研修が大変充実したものになったのは、実証研究校をはじめ、各校が「読む力」を育むためにいろいろと取り組んでいただいたおかげです。ありがとうございました。
今後もご協力をお願いします。
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「読む力」育成に向けた授業づくり研修(国語) ~六日町小学校4年~(2024.11.28)
- 公開日
- 2024/12/03
- 更新日
- 2024/12/16
「読む力」の育成
南魚沼市学習指導センターでは、市内の学校の先生方と共に「読む力」を育むための取り組み方について研修を行っています。実証研究校の協力のもと、授業公開と協議会からなる研修講座を開講しています。11月28日(木)に六日町小学校で研修が行われました。
公開授業
授業は、4年生の国語『ごんぎつね』の学習でした。本時は、「三」の場面の登場人物「ごん」の気持ちの変化を想像することをねらった授業でした。
「正しく読む力」を育むために
①「つぐない」の辞書的な意味を捉える
導入では、今日の学習のキーワードとなる「つぐない」の辞書的な意味を全体で共有しました。「過ち、罪を品物などで埋め合わせる」と板書しました。
②「つぐない」の行動に線を引く
その後、デジタル教科書の朗読コンテンツを活用し、「つぐないの行動が出てきたら線を引きましょう」と指示して「三」の場面の範読を聞かせました。
「深く読む力」を育むために
「ごんの気持ちの変化」を読むために、教師は次のように働き掛けました。
①行動の変化を捉える
ごんの「つぐない」の行動は、渡すもの(いわし→くり→くりと松たけ)、渡すものの採取の仕方(盗む→拾う)、渡し方(投げこむ→置く)が変化していきます。これらの行動の変化を捉えることが、気持ちの変化を捉えることにつながると考え、行動の変化を全体で確認しました。
②叙述を根拠にする
ごんの気持ちを想像するためには、叙述を根拠にすることが大切だと考え、ごんの気持ちだけでなく、その根拠となる叙述をワークシートに記述させました。
研究協議会
先生方が、本時は何が「正しく読むこと」で何が「深く読むこと」にあたるのかを理解しているため、どうやったらさらに「正しく・深く読ませることができるか」という方法に焦点を当てて活発な議論が行われていました。そして、今後に向けて、次のことを共有しました。
・ごんの気持ちを想像する(「深く読む」)ためには、まず一つ一つの行動を丁寧に捉える(「正しく読む」)ことが大切である。
・ごんの気持ちを想像する(「深く読む」)ときは、根拠を挙げて理由を説明させることが重要である。
・「文学的な教材」の読む力を育むためには、この教材で何を指導すべきかを明確にする必要がある。
『ごんぎつね』では、複数の場面の叙述を結び付けて、登場人物の気持ちの変化を想像する読み方を経験させたい。ここでの経験を、自分で新たな物語文を読むときに、また自分が書くときに生かすことができるようにする。
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数学の授業における読む力育成の取組 ~大和中学校1年~(2024.10.21)
- 公開日
- 2024/11/07
- 更新日
- 2024/11/07
「読む力」の育成
公開授業
授業は、1年生の「比例と反比例」でした。本時は、水そうに水を注ぐ事象や水を抜く事象を観察し、いずれも「水位は時間に比例するか」を考え、比例の知識を広げ深める学習でした。
水を抜くと時間が経てば水位は減る…これって比例?反比例?
本時の中心課題は、次のようなxが増えるときyが減るような事象であっても比例なのかを調べて考えるものでした。子供の予想は、比例と反比例で分かれました。
正しく読む力」を育むためにこの問題を「正しく読む」ために、「わかること」などをあげ、データを表に整理する活動を行いました。[わかること]・xの値が増えるとyの値は減る・前の問題と同じで、5分前から5分後までだから、変域は-5≦x≦5この問題を解決するために、根拠を明らかにして比例かどうかを判断する活動を行いました(「深く読む」)。子供は、自分の考えを書いたら写真にしてロイロノート提出箱に送り、他の考えを見ながら検討しました。そして、「最初は反比例だと思っていたけれど、xの値が2倍、3倍、…になると、yの値も2倍、3倍、…になっているから比例だ」と考えるようになりました。こうして、xが増えるとyが減る場合であっても、比例になる場合があることを、既習の倍の見方と関連付けて理解しました。研究協議会本時は、子供の誤った理解を顕わにし、その修正を図りながら知識を発展させる授業の一つのモデルを示していただきました。その授業をよく見ると、教師が子供に働き掛けていたことが、「読む力」育成の取組としても重要な意味をもつことを共有しました。今後、比例の理解を深めていく上で大切なこととして、次のことを共有しました。・なぜ関数の式はy=(xの式)という形で表すのかをとらえること(関数の意味)・なぜ比例を式で定義し直すのかをとらえること(必要性)・定義を基に比例の事象を判断すること(弁別)・定義を基に比例の事象をつくること(具体例づくり) など+1
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「読む力」育成に向けた授業づくり研修(算数) ~北辰小学校3年~(2024.9.25)
- 公開日
- 2024/10/02
- 更新日
- 2024/10/03
「読む力」の育成
南魚沼市学習指導センターでは、市内の学校の先生方と共に「読む力」を育むための具体的な取組について研修を行っています。実証研究校の協力のもと、授業公開と協議会からなる研修講座を開講しています。9月20日(金)に初回の研修が北辰小学校で行われました。導入のおもしろさで「わくわく感」を演出(公開授業)授業は、3年生の算数「円と球」でした。本時は、5つの円がきまりよく交わっている図について、各円の中心の位置と半径を読み取り、その図を作図する学習でした。単元をとおして「マールさんからの挑戦状」が届き、全ての挑戦をクリアすると「宝の場所」がわかるという、遊び心いっぱいのわくわくするような授業構成で、本時も「マ-ルさんからこんな挑戦状が届いた」という話から始まりました。【問題】 この図と同じ図をかきましょう。
「正しく読む力」を育むためにこの問題を「正しく読む」ために、「わかっていること」と「もとめること」を分けてとらえる活動を行いました。教師は子供と対話しながら、子供の発言を整理しました。
[わかっていること] ・円が5つある ・1つの円の中にもう1つの円が入っている ・円がきれいにならんでいる[もとめること] ・この図と同じ図をかくこの問題(の解決方法)について「深く読む」ために、教師は次のように働き掛けました。
①わかる必要があることを問う(解決方法の見通しをもつため)
子供は「半径や直径が必要だ」と発言し、教師は「半径の長さは与えられていないが5つの円の端から端は30㎝だ」と条件を与えると、子供から半径の長さを計算で求める考えが示されました。教師はその考えを検討できるように、中心線の補助線を引き、みんなで円の半径はどこにあるか共有しました。そして、半径の長さを計算で求めて作図する活動に入りました。
②仲間と相談したりヒントカードを使って考えたりすることができるようにする(子供が自ら学習を調整できるようにするため)【補助線を引いた問題の図】 【ワークシート】
これにより、どの子供も粘り強く問題に取り組むことができました。
ICTを活用して効率化(研究協議会)オクリンクプラスの共同編集機能を使ってグループ協議が活発に行われました。そして、今後に向けて、次のようなことが共有されました。・子供がこの問題(の解決方法)について深く読む上で、実態に応じて、半径の長さの求め方を考える段階と、作図の仕方を考える段階に分ける必要がある。・作図の際は、自らかいた図を問題の図と照らし合わせて、図を正しく読み直すことが重要である。・学習を振り返り、「円がきれいにならんでいる」ことを、円の中心の位置や半径にパターンがあることと結び付けてとらえ直すことは、深く読む機会となる。
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令和6年度 市内教員全体研修・教育講演 ~RSの視点で教科書を解像度高く読む~(2024.8.20)
- 公開日
- 2024/08/27
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
8月20日(火)、令和6年度 市内教員全体研修として教育講演が行われました。今年度も一般社団法人「教育のための科学研究所」より、上席研究員の目黒朋子様をお迎えしました。市内の学校より350名程の多くの先生方が参加しました。演題のRSとはリーディングスキルの略称で、読解力の視点から、いかに教材研究を行い、日ごろの授業や家庭学習の指導を行うかについてお話をいただきました。
5年生の社会科教科書の雨温図を読み解く活動を通して、教科書を解像度高く読むために、教師はどのような働き掛けをする必要があるかご指導いただきました。
例えば・・・
・聞いて理解する力を高めるために、「共書き」を行う(教師が読み上げ、子供がそれを聞いて書き、正しく書けているか確認する。)
・係り受けの知識を身に付けるために、文章で答えさせる
・定型表現を身に付けるために、理由を問うたら、「~だから」という文末表現を指導することや、正しい形容詞を選ぶ指導をする
・語彙を増やすために、漢字に直すことや、意味を辞書で調べること、対義語を確認することなどを行う
・グラフや表などから分かることを複数挙げて言語化する(言語化していくと、子供が自ら箇条書きで要約することが行いやすくなる。)
など
参加者からは「『単語で答えさせず文章で答えさせる』など、読む力を育成するために普段から必要なことを知り、大変勉強になった。」「『共書き』を初めて体験し、子どもたちの気持ちが分かった。実践したい。」「グラフを読み解く中で、様々な教科の既習内容と結び付けて考えることが大切であると分かった。教材研究で教科書を深く読み取っていきたい。」といった前向きな声が多く聞かれ、大変充実しました。
南魚沼市では昨年度より学力向上策の1つとして、「子供たちに正しく読んで、正しく理解できるようになってほしい」という願いのもと「読む力」育成の取組を進めています。学力向上だけでなく、子供たちが将来、社会で生きていく上で必要な力を培うという意味からも、各学校と連携し、「読む力」育成に向けた取組の充実を図ります。
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小学校外国語科(国際科)における「読む力」の育成(2024.7.16)
- 公開日
- 2024/07/16
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
7月11日(木)、城内小学校にて「授業力向上研修(小学校編)」が行われました。英語専科教員による5年生と6年生の2つの外国語科(国際科)の授業が公開されました。小学校外国語科では、聞いて十分に慣れ親しんで(インプット)から話すこと(アウトプット)という流れが重視されています。外国語科における「読む力」を「話された内容や意味を理解すること」ととらえ、子供が内容を正しく、深く聞き取れるよう、公開授業では「発問」と「指示」に工夫が見られました。
【5限】5年生ONE WORLD Smile 5 Lesson 3「I have P.E. on Monday.」(6/8時間目)で育む「深く読む力」
発問:英文を聞いて、3人の夢の時間割を完成させよう。完成した時間割と夢の授業を線で結ぼう。
指示:(3問目の英語を聞く前に)どんな英語が聞こえてくるか想像して聞き、ペアで確認しよう。
授業の終末、計3問のListening問題に取り組みました。2問目まで解答すると、3問目は英語を聞かずとも、消去法で自動的に解答が決まります。賢い子はそれに気づき、英語を聞かずに解答するかもしれません。そうならないよう、英語を聞く前に出てくる英語を予想させました。こうすることで、子供たちは自分の予想が正しいか検証するため、集中してListeningに取り組みました。既知の情報から、新たな情報を予想することは「深く読む力」を育みます。
【6限】6年生ONE WORLD Smile 6 Lesson 3「Welcome to Japan.」(6/7時間目)で育む「正しく読む力」
発問:「日本のすてき」について、相手に上手く伝わるように、自分なりの工夫点を考え発表しよう。
指示:出てきた工夫点を参考に、自分なりに1つ工夫してペアの相手に伝えましょう。
ペアの相手のどんなところがよかったか、どんな工夫をしたかに注目して聞きましょう。
メイン活動として、ペアで本番に向けての発表練習(発表の練り上げの活動)に取り組みました。ペアを変えて数回発表する中で、英語面での中間指導をした後、子供たちから言語面(情報の追加等)や態度面(声の大きさやトーン、表情等)といった工夫点が挙げられ、全体で共有しました。その後のペアでの発表練習の際に、上の指示が出されました。ただ漠然と英語を聞くのではなく、聞き手が話し手の英語を聞く前に具体的な「聞く視点」を示すことで、子供たちは集中して話し手の発表を聞いていました。「聞く視点」をもって英語を聞くことは「正しく読む力」を育みます。
2つの授業とも、「帯活動」(表現の定着のために毎回の授業で行われるドリル活動)、「インタラクション」(教えない、問いかけ、共有する指導)、「中間指導」(説明や教える前にまず活動させ、できない、わからないという「困り感」「必要感」をもった後の指導)、ICT活用(デジタル教科書、電子黒板、学習端末の活用)と安定感のある素晴らしい授業でした。子供たちが意欲的に学習に取り組む姿から、普段からしっかりとした授業が行われていることがうかがえ、参観者は多くの示唆を得ることができました。
小学校の外国語活動や外国語科の授業では、「聞くこと」が中心です。聞く活動の中にも、子供たちが意味や内容を正しく、深く読み取る必要がある場面は多くあります。授業者のちょっとした工夫と日々の積み重ねで、子供たちの「読む力」は着実に育まれ、学力向上につながります。各教科で確実に子供たちの「読む力」を高めていただきたいと思います。
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算数の授業における読む力育成の取組 ~塩沢小学校5年~(2024.6.19)
- 公開日
- 2024/06/19
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
塩沢小学校では、子供の実態を基に、国語と算数で育む「読む力」を具体的に設定して授業研究に取り組んでいます。
公開授業
6月18日(火)、塩沢小学校で、塩沢中学校区の教職員が参加し授業研修会が行われました。5年生の算数の公開授業は、単元「単位量あたりの大きさ⑴」で、次の問題を基に「単位量あたりの大きさ」の定義とその求め方を理解することをねらいとしたものでした。
【問題】重さが480gで長さが8mのAのはり金と、
重さが750gで長さが15mのBのはり金があります。
どちらが重いはり金だといえますか。
この問題を「正しく読む」ために、3つの活動を行いました。
①音読する(1字1字見過ごさすに読むため)
②わかっている数量と求めることを分ける(問題の要素を捉えるため)
③表や数直線をかいて数量を記入する(数量の関係を整理して捉えるため)
これらを子供一人一人が行うようにしてきている点がすばらしいと思いました。
②の後で、教師が子供に予想を促すと、子供たちは前時の「混む具合」を比べる学習を基に、「長さがちがうから比べられない」「1mあたりの重さを求めると比べられる」と発言しました。これらの発言を受け、③に進んでいきました。
この問題(の解決方法)について「深く読む」ために、2つの活動を行いました。
①整理した表や数直線を基に式を立てる(根拠を明らかにして考えるため)
②立式の過程を説明する(自分の考えを筋道立てて表現するため)
研究協議会
授業の構想も協議題も「読む力」の視点が明示されていたため、参会者はその視点から子供の学びを解釈することができ、授業の成果と課題を明確にすることができました。共有された成果と課題を、各自が自身の授業に照らし、今後自分も授業で大切にすべきことを捉えようとしている姿も見ることができました。とても有意義な時間となりました。
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「令和6年度 第1回 学力向上推進研修」でキックオフ(2024.5.17)
- 公開日
- 2024/05/17
- 更新日
- 2024/08/26
「読む力」の育成
5月14日(火)、今年度の第1回学力向上推進研修が開催されました。昨年度、1年目に先生方よりいただいた数々の実践、疑問、指摘等から、今年度はセンターとして以下の方向性をお示しすることができました。
・令和6年度は「正しく読む力」に焦点を当てる
・授業の基本的な技術である「発問」と「指示」によって、各教科の「正しく読む力」「深く読む力」を育む
・様々な教科等に共通する取組として、「音読」「言葉の意味確認」「視写」を取り入れる
・その他、「授業、家庭学習で復習や練習の場を設ける」「ICTを活用する」ことで、「読む力」を育む
5月14日(火)、令和6年度 第1回 学力向上推進研修が行われました。学力向上のための取組を各学校で推進する研究主任と管理職が参加し、学習指導センターからの事業説明と、学校間での情報交換を行いました。参加者の意欲的な姿を見て、キックオフに相応しい会となりました。
開会のあいさつでは、岡村教育長が、先生方への激励の後、南魚沼市が「読む力」育成に重点を置くに至った経緯を説明しました。また、脳科学の視点から「 読むことは脳の全身運動である 」という話を紹介し、読むことは思っている以上に大変であること、読むためには、読みたくなる気持ちや読まざるを得ない状況が大切であることに言及しました。
その後、学習指導センター指導主事が、南魚沼市の「読む力」の見解、「読む力」を育むための取組例を説明しました。これらの話や説明について、参加者から次のような声をいただきました。
・「読む力を高めることは豊かな人間性を養うことである」という教育長のお話から、未来が明るく感じられた。
・国語や算数など教科に応じて具体例が示されたことで、「私たちも授業でこうしてみよう」とイメージが湧いた。
・授業改善を確実に行っていくことなのだと思った。学習指導要領が示している「知識・技能」が「正しく読む力」、「思考・判断・表現」が「深く読む力」に密接に関わっていると思った。
・「指導案に読む力を育む取組を入れ意図的に授業する」という点が昨年度と違い、具体的に示されたように感じた。
後半、「『読む力』を育む学校の本年度の取組」をテーマに情報交換を行い、以下のような取組や感想が聞かれました。
・朝読書や音読、読み聞かせを通して、読むことを楽しむことを大切にする。
・新聞記事などを活用する。
・道徳を1つの柱にして全校で同じ取組をする。
・読む・書く・話す・聞くといった4技能を統合した活動にする。
・文章のポイントに線を引くこと、言葉の意味を確認すること、漢字に習熟することを大切にする。
・問題で問われていることが理解できるように指導する。
・リーディングスキルテストの7項目から「読む力」を焦点付けて取り組む。
・まず教師が「読むこと」を意識する。
・授業の中で「読む力」を育む取組を指導案に明記して取り組む。
・国語・算数・外国語に重点を置き、職員がチームとなって取り組む。
・近隣の学校との情報交換で、互いの悩みや問題点、取り組んでみたいことが分かりあえてよかった。
・各校の取組状況について、情報交換の時間もあり、今後の実践の参考となった。
南魚沼市の「読む力」の育成の取組について、昨年度の各校、各先生方のご協力に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。南魚沼の子供たちのため、今後とも「読む力」の育成につきまして、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
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令和6年度 RSTを受検する小中学校について(2024.4.1)
- 公開日
- 2024/04/01
- 更新日
- 2024/09/09
「読む力」の育成
令和6年度、6月にRSTを受検する学校は、以下の学校の子どもたち(小学6年生・中学1〜3年生)です。
・北辰小学校(実証研究校)
・六日町小学校(実証研究校)
・六日町中学校(実証研究校)
・赤石小学校
・大崎小学校
・城内小学校
・おおまき小学校
・五十沢小学校
・上田小学校
・塩沢小学校
・中之島小学校
・石打小学校
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「読む力」の育成 〜1年間の取組から見えてきたもの〜(2024.2.7)
- 公開日
- 2024/02/27
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
南魚沼市の学力向上に向けた取組である「読む力」の育成が始まり約1年間が経ちました。実証研究校の実践から、数値では測れない、子供たちの「『読む力』が高まった姿」を実際にいくつも見ることができたこと、それこそが「成果」です。
2月6日(火)、令和5年度第2回研究主任及び管理職必修研修が行われました。冒頭のあいさつで、岡村センター長(教育長)から「様々な場面で生成AIが活用される今日、生成AIが導き出す『もっともらしい回答』に対して、『正しく読む力』と『深く読む力』、とりわけ『批判的に読む力』(深く読む力)が重要である」との力強いお言葉をいただきました。
その後、実証研究校3校(北辰小・六日町小・六日町中)から、1年間の実践について発表がありました。
北辰小学校からは、教科特性に応じた授業提案とメンター制による授業改善と学級経営の中で読む力育成の取組を進め、成果のあった手立てについて教職員で共有するという取組が紹介されました。
六日町小学校からは、1年間、「多読を重視した全校朝読書」「学年で目指す子供像に基づき学級の実態に応じた継続指導」「授業公開」に取り組み、子供の読むことへの姿勢、語彙量や作文量の増加等の変容が見られたことが紹介されました。
六日町中学校からは、RSTの分析から生徒の実態を把握し、各教科で「技術と読む経験を積む活動」「入力→構築→出力からなる活動」「他者とかかわる活動」「ICTを活用した活動」から「読む力」を育む取組が紹介されました。
その後、センター指導主事が「1年間の各校の取組で見えてきたこと」「実際の授業や各種研修会に参加して見聞きした具体的な取組」「来年度に向けて」の3つの柱で、1年間の取組についてふり返りました。
1年間の取組で見えてきたもの
・「読む力」は生きていく上で、そして学力向上に必要不可欠な要素の1つである
・「読む力」の育成は、学力向上に向けた1つの手段である
・「読む力」は単体で育まれるものではない
・「文を読む力」だけが「読む力」ではない
・各教科に必ず「正しく・深く読む」場面は存在する
・共通の取組と教科独自の取組がある
・取組の自由度は高い
・シンプルな取組でも必ず効果がある
・RSTは重要な客観的な資料である
実証研究校を中心とした授業の中で見られた具体的な取組
・様々な目的や方法による音読
・様々な目的や方法で文章に線を引く
・視写や聴写
・読書(+読書感想文や書評づくり)
・指示語等が何を指すのかの確認
・単語ではなく文で応答することの徹底
・複数の資料の提示
・読み取った内容の言語化や動作化
・文章や数式を図や表で提示
・読み取った内容から図や表を作成
来年度に向けて
・市内一丸となって、継続して読む力育成の取組を推進する(粘り強く「読む力」の育成に取り組む1年とする)
・「聞く」「話す」「書く」と効果的に組み合わせて「読む力」を育む(「学びの基礎力」を基にして)
・家庭学習の充実を図る(授業と家庭でよい「学びのループ」をつくる)
・ICTを一層活用する(デジタル、アナログ双方の教育効果や作業効率等を考え、子供たちも含め適切に取捨選択しながらICTを活用する)
後半は、お集まりいただいた各校の管理職と研究主任で来年度に向けての研修の方向性等を話し合う時間を設けました。普段、こういった時間はあまりとれないため、有意義な時間となりました。
今回、大変充実した研修が実施できましたのは、「読む力」の育成に向けた各校の各種取組の賜物であると考えます。大変ありがとうございました。
全ては南魚沼の子供たちの未来のため 、子供たちが生きていく上で必要な、そして学力向上に不可欠な「読む力」を高めることができるよう、来年度も南魚沼市学習指導センターは様々な面で学校、先生方を支援してまいります。
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シンプルな手立ての継続が育む「読む力」 〜読む力育成に向けた授業づくり研修(小学校国語)〜(2023.11.30)
- 公開日
- 2023/11/30
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
授業の中で、「指でなぞりながら音読する」場面がありました。冒頭は先生が指示をしていましたが、途中の音読では指示をしなくても子供は指でなぞりながら音読していました。目だけではどこを読んでいるのか追えない子供が、しっかりと音読することができます。指でなぞることで、子供は一字一句正確に読もうとします。音読が動作と結びつくことで子供の思考が促進され、内容の理解が進みます。普段から継続して実践することで、習慣化し、より効果が高まります。
11月30日(木)、実証研究校である六日町小学校にて読む力育成に向けた授業づくり研修が行われました。公開された小学校1年生の国語の授業では「おとうとねずみチロ」の単元で「おばあちゃんに呼びかける場面の叙述をもとにチロの様子や気持ちを想像して、音読の仕方を考える」をねらいとした授業が公開されました。
冒頭、子供たちは教科書の文章を音読しました。その際、子供たちは指で文章をなぞりながら音読していました。その後、本時の内容を「誰が」「何を」「どのようなことを言ったのか」を確認し、それぞれの場面でのセリフにはどのような感情が込められており、どのように読んだらよいのかについて、ワークシートに記述しました。授業の終末、子供たちは前に出て、感情が表現できるよう工夫を凝らして実際のセリフを音読しました。子供たちは物語に親しみながら、楽しく学習していました。
授業は大変ていねいに進められました。「指でなぞりながら音読する」「5W1Hを確認する」「ワークシートの教科書の文章のコピーに線を引く」など、随所に「読む力」を高める工夫や手立てが織り交ぜられており、子供たちの「読む力」を育もうという教師の姿勢が現れていました。「指でなぞりながら音読する」「5W1Hを確認する」といった手立ては、普段から継続して実践されていることがうかがわれ、子供たちは指示がなくても指でなぞりながら音読したり、5W1Hを想定しながら読んだりする姿が見られました。
「読む力」を高めるというと、何か特別な、大きな手立てを講じなければならないと先生方は身構えてしまうかもしれません。しかし、些細な手立てを組み合わせることにより大きな手立てとなります。そして、手立てを継続することで子供たちの「読む力」は着実に育まれます。また、「読む力」を1つの視点に授業を組み立てることで、教師の授業改善が進み、子供たちの学力向上につながります。来年度は、いよいよ全ての学校で「読む力」の育成が実践の年を迎えます。先生方が一丸となって、それぞれの読む力育成の取組を進め、子供たちの学力向上を図りましょう。
今回、南魚沼市学習指導センターの研修講座に際し、素晴らしい学びの姿を見せてくれた六日町小学校の子供たちとご協力いただいた先生方に感謝申し上げます。ありがとうございました。
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令和5年度南魚沼郡市小学校教育研究会指定 北辰小学校授業研究会 〜「読む力」を育む授業、「手立て」で学びが変わる〜 11.14
- 公開日
- 2023/11/14
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
11月10日(金)、北辰小学校にて令和5年度南魚沼郡市小学校教育研究会指定研究会が行われました。北辰小学校は今年度より南魚沼市で取り組んでいる「読む力」の育成に向けた実証研究校に指定され、「読む力」の育成を手がかりとした授業改善を行い、子供の学力向上に取り組んでいます。当日はセンターの指導主事はもちろん、センター長である南魚沼市の岡村教育長、湯沢町の種村教育長をはじめ、多くの先生方が参加しました。
公開授業(国語)
小学校1年生の国語の公開授業では「おとうとねずみチロ」の単元で「場面の描写や登場人物の心情を正しく読むことができる」「感情を込めて音読することができる」をねらいとした授業が公開されました。子供たちが登場人物に感情移入しやすいよう、教師が背景やお面を準備し音読しやすい楽しい雰囲気の教室環境の中で、文章を正しく読み、話し合いながら読み方を工夫してグループで音読を発表しました。
公開授業(算数)
小学校4年生の算数の公開授業では「図形の面積」の単元で「複合図形の面積を自分の選んだ解法で求めることができる」「自分の解法をわかりやすく説明することができる」をねらいとした授業が公開されました。子供たちはこれまで学んだ複合図形の様々な面積の求め方から自ら解法を選択して、自分なりに道筋を立てて解法を言語化し、他の解法を選択した子供と説明し合い面積を求めました。
授業後のそれぞれの協議会では、 学習用端末でGoogleのJamboardを活用 し授業の各学習活動で有効であったと考えられる取組や取組の改善点を挙げ、取組や授業について意見を交換しました。その後、指導主事から授業についてのふり返りがあり、両協議会とも充実した内容の協議会となりました。
研究協議会に参加して
これまでの取組である「学びの基礎力」(「よい姿勢」「聞く力」「書く力」「話す力」)を土台として、令和5年度より「正しく読む力」「深く読む力」の2つの「読む力」を育成する取組が実証研究校を中心に始まり約半年が経ちました。各校では試行錯誤しながらも、着実に「読む力」の育成を軸とした授業改善が進んでいます。
今回の授業研究会では、課題や自分なりの考えを言語化したり、課題解決の道筋を組み立てたり、難しい言葉や表現を動作化したり、読む視点について話し合ったり、といった先生方の「こんな手立てを講じれば子供たちの読む力が育まれるのではないか」という発想から生まれた様々な「手立て」で、子供たちの「読む力」を発揮している姿を見ることができました。
今回の研究会を含め、これまで学習指導センター指導主事が各校の「読む力」の育成を軸とした授業を参観して確信したことは、教科を問わず「子供たちに正しく、深く読んでほしい」という様々な場面で先生方の豊かな発想から生まれた「手立て」とそれを手がかりとした授業改善は、確実に子供たちの「読む力」を育み、必ず学力向上につながるはずであるということです。
今年度のNRTや全国学力学習状況調査の結果から、子供たちの学力向上は喫緊の課題です。そのためには、「読む力」を手がかりに現行の指導要領に即した授業改善が不可欠です。授業についての相談や研修の要請などがありましたら、学習指導センターまでご連絡ください。南魚沼市学習指導センターでは今後も子供たちの学力向上に向けて、郡市の先生方を支援して参ります。
最後にこの場をお借りして、南魚沼市学習指導センターの研修にご協力いただいた北辰小学校の素晴らしい子供たちと先生方に感謝申し上げます。ありがとうございました。
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令和5年度 教育講演会 〜RSTの結果と南魚沼の「読解力」の分析〜(2023.8.7)
- 公開日
- 2023/08/07
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
8月7日(月)、令和5年度の教育講演会が行われました。今年度は読解力研究の第一人者である新井紀子先生が所長を務め、「読解力」を測定するRST(リーディングスキルテスト)を提供している一般社団法人「教育のための科学研究所」より、上席研究員の目黒朋子様をお迎えしました。市内の学校より、80名近くの多くの先生方が参加しました。講演会は「RST結果分析と読解力を育むための授業づくり」と題し、RSTを受検した市内の子供たちの結果から、南魚沼市の子供たちのおおよその傾向と、読解力を伸ばすための授業づくりや教師の心構えについてお話しをいただきました。
講演は冒頭の「一枚岩で読解力(読む力)を高めれば、学力は上がる」という力強いお言葉から、RS(リーディングスキル)についてのお話が始まりました。そして、南魚沼市のRSTの結果の分析について市の傾向として、特に文章を読む基本的な能力である「文の構造を正しく理解する能力」「代名詞が何を指しているかを正しく認識する能力」「与えられた2つの文が同義かどうかを正しく判定する能力(と、そのための語彙力や論理力)」が不足しており、かなり支援の必要がある子供が多いとの分析が示されました。
後半は様々な実例を交えて、我々教師自身が教科書を正しく読めていないことを体験しました。「教科書を正しく読むことが難しく、大変なことであることを子供も教師も共有しつつ共に成長する」ため、子供のつまづきや困難を予想し、適切に表現するなど、「教員が解像度を高くして読む」ことの重要性が語られました。
講演会をとおして、読解力研究の専門家である目黒先生からのお話は大変勉強になりました。
南魚沼市では本年度より学力向上策の1つとして、「子供たちに正しく読んで、正しく理解できるようになってほしい」という願いから、読解力の理論から着想を得て、「読む力」の育成についての取組を進めています。学習指導センターでは学力向上だけでなく、子供たちが将来、社会で生きていく上で必要な力を培うという意味からも、各学校と連携し、読む力育成に向けた取組の充実を図ります。
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「読む力育成に向けた授業づくり研修」で「具体的な取組」を共有 〜その2〜(2023.7.7)
- 公開日
- 2023/07/07
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
7月6日(木)、実証研究校である六日町中学校を会場に「小・中学校 読む力育成に向けた授業づくり」研修が行われました。
中学3年生社会科の公民分野「私たちの暮らしと現代社会」の単元の最初の授業として、日本の現代社会の現状を把握する授業を行いました。生徒は「グローバル化」「高度情報化」「少子高齢化」という3つの社会の現状について、様々な表やグラフを「正しく」読み取り、ワークシートにまとめました。そして、読み取った内容を地理的分野・歴史的分野の既習事項、法律や財政等の公民的視点と関連付け、グループ内での情報交換をとおして3つの社会の現状を「深く」読み取ってまとめました。
「読む力」育成の取組として、資異なる資料やデータを「時系列」でわかりやすく示すことで、表やグラフの情報を「正しく読む」学習活動が提案されました。また、現在の表やグラフから読み取った内容と既習事項である地理的・歴史的背景等を関連付け、論理的に現状を「深く読む」学習活動が提案されました。
授業後の協議会では、六日町中学校の先生方も参加し、教科ごとに国語、数学、社会、理科、英語、技能教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)の6つのグループに分かれ、学習指導センターから例として示された各教科の読む力育成に向けた具体的な取組を参考に充実した話し合いが行われました。
読む力育成の取組について、今年度の学習指導センターの主な支援に、研修講座等をとおしての読む力育成に向けた「取組の充実」と市内の先生方への「積極的な情報発信」があります。今回の協議会では、「具体的な取組」はもちろん、「読む力」の解釈についての疑問や教科における具体的な実践の難しさといった現場の先生方の「生の声」を聞くことができました。学習指導センターでは、先生方が「読む力」の育成に向けた具体的な取組を実践し、子供たちの「読む力と学力の向上」が図られるよう、先生方の 「生の声」を大切にし 、今後も先生方を支援します。
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「読む力育成に向けた授業づくり研修」で「具体的な取組」を共有 〜その1〜(2023.6.14)
- 公開日
- 2023/06/14
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
南魚沼学習指導センターでは、市内の学校の先生方と共に「読む力」の育成に向けた具体的な取組について研修を重ねております。今年度は南魚沼市の読む力育成に向けた実証研究校である北辰小学校・六日町小学校・六日町中学校の3校の協力の下、授業公開と協議会からなる全5回の研修講座「小・中学校 読む力育成に向けた授業づくり」を開講しております。
6月13日(火)、六日町小学校を会場に授業づくり研修講座が行われ、小学校4年生の国語の「表し方のちがいを考えよう」の単元で、同じ商品を紹介する2つの広告をキャッチコピーや写真、商品説明文から比較する授業が公開されました。読む力育成の具体的な取組として、授業では「シンキングツール」を活用 し、 読みとった内容を視覚的にまとめることで「正しく読む力」を養い、ペアで意見交換したり、全体で情報を共有したりすることで「深く読む力」を養う取組が提案されました。工夫した点として単に表にまとめるのではなく「バタフライチャート」を用いることで、子供たちは視覚的に2つの広告を対比しながら意欲的に学習に取り組み、学びを深めていました。授業後の協議会ではグループに分かれ、授業で実践された「読む力」の育成に向けた具体的な取組の評価や課題等についてKJ法を用いて明らかにし、更なる具体的な取組について情報共有が行われました。
それぞれの教科の様々な学習活動で、必ず「正しく読む」「深く読む」ことが必要とされる場面が存在します。教師が『この場面で子供たちにこういう「読む力」をつけさせたい』と意識し実践を重ねることで、着実に子供たちの「読む力」は育まれます。 今回のような研修を活用し、先生方にはたくさんの実践に触れていただき、ぜひ自身の取組の充実を図っていただきたいと思います。
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国語の授業における読む力育成の取組 〜栃窪小学校 3・4年複式学級の授業より〜(2023.6.2)
- 公開日
- 2023/06/02
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
6月1日(木)、栃窪小学校で学習指導センター指導主事による国語の計画訪問が行われました。授業は「読む力」の育成を目指し、「話す・聞くスキル」という教材を用いての「音読活動」から始まりました。子供たちは全員起立し、大きな声で音読していました。子供たちの素晴らしい音読の姿から、取組の継続、日々の積み重ねの大切さを改めて感じました。また、授業の中では、一人の子供が読んだ後に他の子供が読む「追い読み」の活動も行われました。
「音読」は「読む力」の育成を図るのに有効な取組です。「音読」をとおして、言葉の意味や文脈の流れなどを意識したり、文章の切れ目を考えたりすることで、確実に「読む力」が高まります。 さらに、目で文字を追いながら、耳で文章を聞きながら声に出すことで、「読み間違え」や「読み飛ばし」を防ぎ、「読む力」には欠かせない「語彙力」を養います。もちろん、書かれている内容への理解も深まります。
「音読」は一般的に行われている学習活動です。しかし、そこに「読む力」の育成の視点を織り込み、子供たちに目的や意図を明確に示すことで、「新たな学習活動」へと生まれ変わります。そして、継続的に取り組むことで、着実に効果が高まります。今、先生方が行っている授業実践の中には、子供たちの「読む力」を育む取組がたくさん眠っています。ぜひ、先生方自身の手でそれらを「発掘」し、「読む力」の育成に結び付け、新たな取組として実践を重ねることを期待しています。
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数学の授業における読む力育成の取組 〜実証研究校 六日町中学校 1年数学の授業より〜(2023.5.22)
- 公開日
- 2023/05/22
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
5月22日(月)、実証研究校である六日町中学校で数学の研修講座(計画訪問を兼ねる)が行われました。六日町中学校では、『「読む力」を育み、課題把握や学習意欲を高める指導方法の追求』を研究主題に掲げ、生徒の学力向上に向けて研究を進めています。今回は中学1年生の「正負の数」の単元で、「3数以上の乗法の式を工夫して計算する」ことをねらいとした授業を参観しました。 中学校生活が始まってまだ2ヵ月ですが、よい雰囲気の中で生徒たちは熱心に授業に取り組んでいました。
授業で生徒は、「プラスとマイナスが入り交じった3数以上の乗法をいかに効率よく、正しく計算するか」について考え、グループで意見交換し、全体で発表し合うことで、乗法の交換法則と結合法則について理解を深めました。計算する上での工夫として、式のどこで何法則を用いるのかを考えたり、説明したりすることは、「推論」(既存の知識と新しく得られた知識から、論理的に判断すること)としての「読む力」の育成につながります。また、式の内容を符号や絶対値等の数学用語を用いて書いたり伝えたりすることは、「具体例同定」(理数的な定義を理解し、その用法を獲得すること)としての「読む力」の育成につながります。
全ての教科、教育活動の中で、「読む力」を育む場面はたくさんあります。先生方がそのことを意識し、目の前の子供たちの実態に則して教材の提示や学習の形態、手順や方法等を工夫し、効果的に子供たちに読む力育成の取組を提供できるよう、今後もセンターでは各教科で具体的な取組を提案していきます。
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読む力育成に向けた具体的な取組 〜学校・先生方の素晴らしい「アイデア」の数々〜(2023.5.9)
- 公開日
- 2023/05/09
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
5月9日(火)、令和5年度第1回研究主任及び管理職必修研修が行われました。岡村教育長(南雲センター次長代読)からの「読む力」の育成に向けた各校、各先生方への熱い激励の後、「読む力」の育成に至った経緯や南魚沼市で育みたい「読む力」、本年度のセンターの主な支援について、センター指導主事より説明がありました。
令和5年度 南魚沼市学習指導センターの学校・先生方への主な支援
・読む力育成に向けた授業づくり研修を新設(5講座)
・RST(リーディングスキルテスト)の実施と分析
・積極的な情報発信による学校・先生方との情報共有
後半は中学校区に分かれ、各校の本年度の取組を発表し合いました。そして和やかな雰囲気の中、明日の授業にすぐにでも活用できるよう、より具体的な取組や方法について、ブレインストーミング形式で「アイデア」を出し合いました。
各中学校区の管理職を含む先生方から読む力育成に向けた具体的取組について、数々の素晴らしい「アイデア」が出されました。南魚沼市では例は示しているものの、「読む力」を育成する決まった取組があるわけではありません。子どもたちの「読む力」を育成し学力の向上が図られるよう、それぞれの学校や先生方は様々な「アイデア」を基に想像力を働かせ、子どもたちの実態に則して具体的な取組を実践、評価、改善、継続します。南魚沼市学習指導センターは、学校や先生方の具体的取組の手がかりとなるよう取組を集約、発信します。子どもたちの学力向上のため、南魚沼市では「読む力」の育成という目標に向かって学校・先生方と教育委員会・学習指導センターが一丸となり教育活動を展開します。
今回の研修で出された素晴らしい「アイデア」の数々は、デジタルデータ(PDF)として各学校に配付し、学校や先生方で情報を共有し具体的取組の充実を図ります。
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令和5年度 RSTを受検する小中学校について(2023.4.3)
- 公開日
- 2023/04/03
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
昨年度の希望調査の結果について協議し、以下のとおり、RSTの受検を希望した全ての学校の子どもたちと先生方の受検が決定しました。
・北辰小学校(実証研究校:6年生)
・六日町小学校(実証研究校:6年生)
・六日町中学校(実証研究校:1〜3年生)
・大崎小学校(5・6年生)
・おおまき小学校(6年生)
・上田小学校(6年生)
・中之島小学校(6年生)
・石打小学校(5年生)
・大和中学校(1〜3年生)
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南魚沼市の先生方へ「読む力」の育成について(2023.4.3)
- 公開日
- 2023/04/03
- 更新日
- 2024/08/27
「読む力」の育成
南魚沼市の読む力育成の取組について、新しく来られた先生を含め、先生方に説明する資料が完成しました。
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